(四)

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 数馬はその刀を右の刀で受け流そうとしたが受けきれなかった。数馬は何とか身を捻って右を引くようにしてはいたものの、右肩からまっすぐ下へと斬られた。そして同時に右手の刀を落としていた。  ただ、同時だったのは刀を落としただけではなかった。左手で持っていた刀を右内の腹にまっすぐ突き刺した。そして右手の刀が落ちてから抜いた。  黒井右内の動きは止まっていた。その痛みに耐えているのか、苦渋に満ちた顔になっていた。そして腹を押さえ、刀の先をこちらに向けながら右内は後ずさりし、橋を渡り、拝殿の方へ退いていった。  数馬は肩の痛みでその場でへたり込んだ。そして傷の痛みで意識を失った。 (了)
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