(二)

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 次の瞬間、右内も一歩、大きく前に足を出し、そして水平に剣を振っていた。  衛守は刀を振り上げた体勢のまま胸を横真一文字に切られた。そして両手を上げたまま膝から崩れ落ちた。 「衛守!」  左内は大声で同心の同僚の名を叫び、そして左内の方へ駆け寄った。  この時点で右内は背中を見せて既に十歩ほどは街道を向こうへと走っていった。そして数馬がその後を追った。  左内は衛守のそばへ寄って衛守の状態を起こした。 「俺はいい……。早く奴を追え」  そう言って衛守は左内の腕の中で力を失った。  左内は「御免」とだけ言い残し、衛守の身体を地面に横たえて自らも走り出し、賊の頭領を追いかけた。 (続く)
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