ジュアスsideマリーを攻略

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ジュアスsideマリーを攻略

部屋の時計がカチリと鳴って、私たちはハッと顔を見合わせた。いくら小部屋とは言え、ここはマリーの屋敷だ。私は自分が迂闊にもこんな若造のような情欲に流されて、時と場所も選ばず盛ってしまった事に狼狽えてしまった。マリーには冷静なフリをしてドレスを着る手伝いをしたが、内心は動揺していた。 幸運だったのは、ここが秘密の話をするための特別な小部屋だった事だ。貴族の屋敷には必ずこの手の部屋があり、人に聞かせられない話をする時に使う。伯爵夫人が案内してくれたのは、まさにその手の部屋だったわけだ。もしかしてこうなるかもしれない事を見透かされているのだろうか?私は少し気恥ずかしい気分でマリーのドレスの裾を直した。 「マリー、髪は自分で出来るかい?この暖炉の上にある鏡で整えよう。ここにはブラシが無いから、私が後ろをなでて整えてあげるよ。」 そう言って、私はマリーの後ろに立って、真っ直ぐな美しい黒髪を指先ですいた。癖のない黒髪は撫で付けるだけでサラサラと整って、わたしはひとすくいすると甘い香りを嗅いで口づけた。マリーはそんな私を鏡越しに見つめて言った。 「ジュアス、私たちって、結婚前にしてはいけない事をしてしまったのかしら?私、あんな痺れるような気持ちよさは初めてでしたわ。」 鏡越しに見つめ合う青い瞳は何かを問いかけていた。私は、真っ直ぐにその青い瞳に語りかけた。 「婚約者でない者が、結婚前にしてはいけないのは最後まで愛し合う事だ。子供が出来てしまうかもしれないからね。だけど、最後までしなくても色々な形で愛し合う事は出来るんだ。先程のように、マリーを快感の波に攫わせることも容易だ。 …マリーはまたしたいかい?またあの快感を感じたいのなら、ひとつ条件がある。」 マリーは首を傾げて私に尋ねた。 「条件て何ですの?」 私はにっこり笑うと言った。 「他の者とは口づけだけにする事。私以外の者とは、さっきの様な事はしないこと。どうだい?約束出来るかい?ちなみに、他の者は私の様にギリギリのところで止めるなんて事は出来ないだろうから、そうなるとその男と必ず結婚する事になってしまう。そうなると、君の願いである、お試しは出来なくなる。 マリー、君の願いを叶えてあげられるのは…私だけだよ。」 私はそのまっすぐな青い眼差しに引き寄せられる様に、マリーの甘い匂いのする首筋をそっと喰んだ。
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