マリーの悩める日々

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マリーの悩める日々

美味しい紅茶をいただきながら、わたくしが浮かない顔をしていたのでしょうか。仲良しのお姉様のひとり、伯爵令嬢のダリア様が意味深な目つきで私に尋ねました。 「マリーは何か悩み事ですの?あんなにデビューで話題をさらったんですもの、お試しが捗ってウキウキされてるかと思いましたのに。」 わたくしは最近婚約したばかりのダリア様に丁度良い機会だと質問する事にしました。 「ダリアお姉様、お姉様はわたくしの先生ですわよね?お聞きしたいのですけれど、ダリアお姉様がアンドリュー様と婚約する決め手は何でしたの?」 隣でわたくしたちの会話を聞いていた、リリーお姉様はクスリと笑ってダリアお姉様に言いました。 「ダリア、マリーに話してあげなさいよ。きっと参考になると思うわ。ふふ。」 わたくしは何か逸話が有るのかと、ダリアお姉様の優しげなお顔を見つめました。ダリアお姉様はうふふと楽しそうに笑いながらおっしゃいました。 「何も特別な事は無かった様に思うのだけれど…。アンドリューはわたくしに迫る求婚者の1人だったのは間違いないわ。ただ他の方と違っていたのは、わたくしに彼を止められなかったという事よ。他の殿方にはつれない態度で、そう唇程度で終わらせていたの。でもアンドリューに限っては、わたくしの方が強請ってしまってもっと先に進みたくてしようがなかったの。 彼は会う度に結婚前のわたくしを傷つけてしまうと、強請るわたくしに対して、とても我慢強く耐えてくださったわ。今は婚約したので、ふふふまるで野獣ですわ。」 そう言ってダリアお姉様は頬を染めました。わたくしは胸がドキドキしました。先日のジュアスとのあれこれを思い出したからです。そう言われてみると、どう考えてもわたくしが強請ったに間違いは有りません。ジュアスの高まった身体を利用して、わたくしはすっかり気持ち良くなって訳が分からなくなってしまったのは確かですわ。 リリーお姉様はわたくしを悪戯っぽく見つめるとおっしゃいました。 「マリーには思い当たる方がいるのかもしれませんわね。その潤んだ眼差しで分かりますわ。婚約したら、わたくし達に1番に教えてちょうだいね?」 そう言ってお二人でクスクスと楽しそうに笑っているので、わたくしはお二人に揶揄われたせいなのか、どれともジュアスを思い出したせいなのか、理由は分かりませんけど、すっかり顔が熱くなってしまいましたわ。
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