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ロビンsideアンナマリーの誘惑
アンナマリー様から乗馬の誘いの返事が来た私は、有頂天だった。王都を揺るがす魅惑の妖精、マリー様の唇を吸ったあの秘密の夜会から、私の身体はじくじくと燃え燻っていた。
しかも、マリー様とお近づきになりたがっているライバルたちは考えられないほど多いのだ。鮮烈のデビュー以降、私はどうやってマリー様ともう一度お近づきになれるかと、考えあぐねていたのだ。
私の前を軽やかに駆けていくアンナマリー。風に残るその甘い香りと、美しくたなびく艶やかな黒髪。ゴテゴテとした装飾は僅かなのに、生地の美しさが際立つ品の良いドレス。
どうしてマリー様はどこをとっても魅力的でいられるのだろう。これでは、マリー様を諦めることなど出来そうにない。
マリー様には王弟もが名乗りを上げているものの、ジュリランド家はマリー様が心から愛するものへ嫁がせると暗に示しているので、私にもチャンスはあるはずだ。どうしたら私に夢中になってくれるのだろう。
私の心のうちなど知りもしないマリー様は、輝く様な笑顔で湖の美しさを褒め称えている。私は近寄ると、甘い香りのする華奢でいながらしなやかな身体を、後ろからそっと抱きしめた。
小さな、形の良い耳を食べてしまいたい。そんな気持ちで、口づけを強請ると、微かに色っぽい声でうめくマリー様にもう我慢出来なかった。久しぶりに味わうマリー様の唇はいつまでも可愛がっていたい気持ちよさで、私は身体の中心が持ち上がるのを感じた。
口づけに夢中になっていると、マリー様が私にしがみついて、息を切らして言った。身体が熱いから助けて?…これは、あれだろうか。マリー様は経験がないからどうして良いのか分からないのだろう。
私は手ほどきできる幸運が手の中に転がり込んできた事に胸を高鳴らせて、マリー様の伸ばしてきた指先を掴むと、優しく口づけた。
「マリー様、何も怖がらないで。私が道案内してあげよう。」
私はテラスから室内へ移動すると、マリー様をソファへ座らせて部屋の鍵を閉めに行った。邪魔が入るといけない。今は、私に夢中になってもらうチャンスなのだ。
マリー様は気だるげに頬を赤く染めて私を見上げた。吸い込まれそうな青い瞳は潤んで私を誘う。私は膝の上にマリー様を横抱きにすると、口づけながら柔らかな小さな手のひらを自分のシャツの中へ導いて、心臓の上に置いた。
「貴方を思うと私の胸も張り裂けそうだ。マリー様、貴方の胸の鼓動も感じさせてくれるかい?」
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