マリーの疑問

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マリーの疑問

結局、ロビン様とあんな事やこんな事をしてしまった私は、自分の部屋で考え込んでいました。お姉様方は運命の相手でなければ、そういった状況になったら身体を投げ出さないと言っていたような気がしますわ。 でも私はジュアス様に引き続き、ロビン様とも結構な状況になってしまいました。どう考えてもロビン様に無理やり感は無く、どちらかといえば私が誘惑したのではないかしら? ああ、私は気持ち良さに弱いのでは?結局、ロビン様にも高められて、相性の良さでは悪くなかったのではないかしら?騎士だけあって、あの逞しい身体は思い出すだけで私の胸をときめかせます。 そんな事を悶々と考え込んでいた私は、部屋がノックされてる事に気付きました。 「どうぞ。」 部屋に入って来たのは、召使いのパティでした。 「お嬢様、奥様がお茶をご一緒にとの事です。」 「マリー、昨日はロビン様と出掛けたのかしら?」 目の前のお母様は相変わらずの麗しさで、ミルクティー色の柔らかなきらめく髪を美しく結い上げています。私は明るいその髪色を羨ましく思って、呟きました。 「…お母様の髪、透けるような美しさですわ。わたくし、本当にその髪が好きなんですの。キラキラ、ふわふわしていて。」 お母様はコロコロ笑って仰いました。 「皆、自分には無いものを欲しがるものです。私もマリーのしなやかに流れる夜の星空を思わせるその髪を羨ましく思うわ。ふふふ。でも私たちは二人同じ眼差しを持っているわね?マリーはその眼差しの効果的な使い方をすっかり身につけているように思うわ。」 私はお母様が随分開けっぴろげな話題を振ってきた事に少し驚いたものの、勇気を出して声を潜めて尋ねました。 「お母様、わたくし分からないことがありますの。お母様は自然に運命の相手が分かると仰いましたけれど、私には…その、かなり近づいても、どの方もうっとりとしてしまって決めかねる気がしますわ。もしかして、わたくしは淫らなたちなのでしょうか?」 お母様は扇で口元を隠して忍び笑いをすると、わたくしを見つめて仰いました。 「肉体の快楽はある程度の小慣れた、好ましく感じる相手だったら与えてくれるものよ?でもマリーの心が嘘をつかないでいられる相手はどなたなのかしら? 自分のありのままの感情を遠慮することなくぶつけられる相手は、人生で一度しか出会わないでしょう。いえ、出会えたら幸運だわ。マリー、貴方は出会ったかしら?」
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