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斑鳩サバゲー部
「ちゃんと明日は朝から授業出なさいよ? 単位、マジでヤバイんだから」
「分かってるっつーの。 楓は相変わらずうるせえなー」
斑鳩高校唯一のサバイバル・ウォーゲーム部。
通称『斑鳩サバゲー部』の部室でモデルガンの手入れをしている間もうるさい幼馴染みに、焔李は辟易していた。
「うるさいってなによ! あたしはあんたの事を思って!」
「わあったわあった、悪かったって。 明日からはちゃんとするっての」
どう聞いても、謝罪する気のない態度である。
だが、惚れた弱みなのだろう。
「まあ……理解してくれたんなら、良いんだけど……」
楓は黙々と自分の得意武器であるハンドガンの解体を始めた。
「んー? うわ、リコイルがダメになってる。 変えなきゃなあ」
リコイルスプリングとは弾丸を射出するパーツの一つである。
これに不備があると発泡する事がほぼ不可能となるので、定期的にメンテ、取り替えなければならない。
「ついでにリコイルガイドもつけてカスタムしてみよっかな。 えっと、リコイルリコイル……っと。 あったあった。 焔李~、リコイル要るなら余分に取ろっか?」
「あー、いや要らね。 それよかクリーニングロッド取ってくれよ。 銃身の埃取りたいから」
「はいはい」
楓は棚のカラーボックスからリコイルとリコイルガイドを一個ずつ。
工具箱から細長い棒を取り出し、焔李に手渡した。
「せんきゅー」
「もっと感謝してよね、わざわざ取ってあげたんだから」
「別に良いだろ、そこまで律儀に言わんでも。 俺と楓の仲なんだし。 ……うおっ! どうしたんだよ楓、机に顔を埋めちまって」
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