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「……って事は、君が僕のお父さんが死ぬ原因を作ったって訳じゃないって事……だよね?」
顔をきょとんとさせる少年に、アガレストは答える。
「……まあ、好きに解釈してくれて構わないよ。それより、本題に入らせてくれないかい? 君の親がここで蘇れば、その代わりに君の見知らぬ誰かが死んでしまう事になる。壊れた命と、使える命の交換という訳だ。君は、それでも平気かーい?」
「犠牲になる人には、申し訳ないけど……でも、どうしても僕はお父さんから離れたくないんだ。だから、それで構わないよ……お願いっ! 早く、お父さんを生き返らせて」
懸命に自分の願いを伝える少年に、アガレストは面白がる様に質問する。
「クククッ……それは、別にいいんだけど、何の罪も無い人が……こうして、君と同じ苦しみを味わう事になるけど、本当にそれでもいいというのかい?」
「……そんなの、勿論だよ。顔の知らない誰かが死のうと、正直僕には何の関係も無いからね」
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