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「……そ、それで? どうして、その人は僕の仕業だと分かったんだよ」
「彼の命を奪った人間は誰だと、花嫁に聞かれてね……僕が、君だと教えてあげたんだよ。そして、今の結果に至る訳だ」
死んだ魚の様な瞳でアガレストを見つめ、少年は怒りを露わにする。
「どうして……どうしてだよっ! どうしてその人に、僕だと知らせたんだっ! ……君が存在しているって事は、僕と同じ罪を犯した人は他にも多く居るだろ? それなのに、僕だけこんな事になるなんてあんまりだっ! 僕は絶対に、地獄へなんか行かないから」
「どうしてって……それは、君があまりにも不運な人間だからだよ。君の言う通り、我と取引をした人間は何人も存在する。実を言えば、君の親の命を奪った人間だって存在するんだよ……君に一つ忘れないでほしいのが、我は悪魔であって善人ではない。よって、君を庇ったりはしない。だから、花嫁に君だと教えたんだよ」
そう告げるアガレストに、少年は殺意を向けて殴りかかる。
「ふ、ふざけるなよっ! こんな死に方、するもんかーーっ! 出て行けよ……この人殺しの悪魔めーーーーっ!」
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