True devil

第一章 魂の犠牲

「ぎゃーーーーーーーーっ！　そ、そんな嘘よ……亜矢加(あやか)――――――――――っ！」

　古びた小さなアパートで、女性が泣き狂っていた。そんな精神に異常をきたした彼女の目の前で、セーラー服姿の女子中学生が首を吊って息絶えている。我が子の足元には、遺書が転がっていた。

　お母さん、さようなら。今まで、こんな私を育ててくれてありがとう。大好きだよ。実は私ね、学校で皆から嫌われてるの。

　何も出来ない落ちこぼれだから馬鹿にされて、クラスの子達は私をいじめる。毎日必ず、死ねとかブスとか暴言を吐かれて、もう耐えられなくなっちゃった。

　どうせ、私が生きていても周りに迷惑かけちゃうだけだから、私は皆の為に居なくなるね。失敗作の私は今日、この世から消えます。これで、お母さんも幸せだね。

　娘の書いた遺書を涙で濡らしながら、会社の制服に身を纏った女性はそれを読み上げていく。そして、彼女はその場に、膝から力無く崩れ落ちた。