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『恋にライバルなんていらない』
ジャンル:ブラックコメディー?(+若干SFホラー?)
※ジャンル変えました。さすがに人が死ぬのに「コメディ」と言うのは まずいので…。
配慮が足りず申し訳ございません。
考案理由:よく恋愛漫画で相思相愛の二人が出て来るけど、お互いモタモタしている内に「恋のライバル」ポジが現れ話がややこしくなる。
自分はそういうのを見るたびに「早く告れよ!」ってイライラする。
そんな時に、ふと「もしも『恋のライバル』を消してくれる存在がいたらどうなるだろう?」と考え、この話を書いた。
あらすじ
鹿島は恋する男女の間に割って入ってくる「恋のライバル」を抹殺する職業(ただし、これは彼個人が勝手にやっていることで正式な職業ではない)、
「恋のライバル・バスターズ」(鹿島命名。ネーミングセンスはダサい…)だった。
興味本位でアルバイトで入った松尾は、鹿島に呆れながらも協力していた。
ある日、ある高校の男女(お互い両思いだが、まだ告白していない)の仲を邪魔する後輩の小悪魔女子を二人のために暗殺する鹿島と松尾。
その後 二人の恋の行方を変装しながら見守っていたが、どういう訳か殺したハズの小悪魔後輩が再び姿を現し、恋を邪魔し始める。
鹿島達は再び後輩を暗殺するが、二人が良い感じになった時(二人っきりでランチや遊園地デート、夏祭りなど)に限って彼女が現れ、殺害方法も暗殺から盛大な爆破、果てはオカルトにまで頼るようになる。
~ここからネタバレ~
そんな不死身かと思われる小悪魔女子をバミューダトライアングルに追いやった鹿島と松尾は、念のために彼女が住んでいる屋敷を爆破しようと忍び込む。
だが、その余りに生活感のない屋敷の様子(埃一つ落ちていない、冷蔵庫は空っぽなど)に鹿島は違和感を覚える。
そして松尾は彼女の部屋でアルバムを見つけ、衝撃の事実を知る。
実は小悪魔女子は20年以上前の人物で、すでに亡くなっていたのだ。
そして本棚にあった隠し扉の先で鹿島達が見た物は、培養液が入ったカプセルで眠る大量の小悪魔女子達だった。
彼女の父親は遺伝子工学の権威であり、娘が亡くなった後、彼女の細胞を基にクローンを作ろうとしたのだ。
しかし父親もすでに死亡し、今はAIが彼女の生成を続けていたのだ。
鹿島達はこの異常な光景を残すまいと家を爆破するため持って来ていた爆弾を小悪魔女子製造機に仕掛ける。
その時、培養液の中の小悪魔女子達が一斉に目を覚まし、自身の先輩に対する愛情の妨げになる鹿島達を殺そうと襲い掛かって来る。
爆弾を爆破しながら逃げる鹿島達だったが、その影響で鹿島のみが屋敷に取り残されてしまう。
鹿島は松尾に手紙と爆弾のスイッチを託し、一人小悪魔女子達を相手にする。
松尾は躊躇いながらも、スイッチを押す。屋敷は鹿島を含め全てを木っ端微塵に吹き飛ばす。
何もかも綺麗サッパリ無くなった更地で、松尾は鹿島からの手紙を読む。
鹿島もかつて恋人を別の男に取られた過去があった。思い余った鹿島はその二人を殺し、自分も死のうとさえ考えた。
だが、その二人が交通事故で死亡し、鹿島は自分の怒りをどこにぶつけて良いか分からず、途方に暮れた。
無気力な生活を送る中、鹿島は恋人が別の女性と浮気したショックで自殺した女性のニュースを見る。
その女性も鹿島同様、恋人と浮気相手と共に心中するつもりだったが、悩んだ末 自分の命を絶つ道を選んでしまったのだ。
このニュースを見た鹿島は、自分が見失っていた怒りの矛先を、こういった恋愛を邪魔する奴らを排除する方向に向けようと決意。
かくして自分は「恋のライバル・バスターズ」となり、数多の恋のライバル達を殺して行ったのだ。
手紙の最後には、あの男女二人の恋の行く末を見守ること、もし二人が結ばれたらその幸せそうな姿を写真に収め自分の墓に備えて欲しいと松尾に頼んでいた。
(※この辺、めっちゃ良いシーンっぽくなっているけど、結局のところ鹿島がやっていることは人殺しである…)
数か月後、高校を卒業し大学生となった男女二人はついに結婚することになる。
カフェでデートする二人を店員に扮した松尾が優しく見守る。しかしそんな二人を狙う妖しい人物。
その直後、さり気なく近づいた松尾はその人物を暗殺する。
その人物ー小悪魔女子はまだ生き残っていたのだ。先輩に対する恐るべき執念、二人が真に幸せな日々を歩めるように鹿島の意思を引き継いだ松尾の孤独な戦いは続く―。
終
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