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「大丈夫です、その場に行けば分かりますから」
「いや、またまたぁ、前からちょっと思ってたんですけど、◯さんって真面目そうに見えて、意外と適当ですよねぇ」
その言葉に対して、1人は表情を変えない
「◯さん?」
「もしかしたら、私たちの中にも歯車の様なものが埋め込まれていて、役目が終われば必要なくなるのかもしれません」
「いやいやいや、ありえないですよ、ヒトじゃあるまいし」
やはり、それの表情は変わらない
「いや、マジかよ」
1人はボソリと呟き、再び廊下を歩き始めた。もちろん1人だけで
2033年5月20日(金) 午後14時18分
「今日で10歳になった、天野咲菜さん。今回もテニスのジュニア大会で優勝という事で、おめでとうございます!」
「ありがとうございます」
ニュース番組のインタビューに対して小学生ぐらいの女の子が答える
「前回の大会に続き、再び優勝という事で、今のお気持ちをお聞きしてもよろしいでしょうか」
「まだ、テニスを始めてから、そんなに練習できてないけど、これからもいっぱい練習して、またメダルを取れるように頑張ります」
「ありがとうございます。続いてなんですが、咲菜さんの将来の夢をお聞きしてもよろしいでしょうか」
「えっと、テニスで強くなって、オリンピックで優勝したいです」
輝かしい功績を次々と残している、将来有望な小学生のインタビューを、ある1人がテレビという情報媒体を見ながら虚しそうな顔をしていた。
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