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列車での出会い
ガタンゴトン、ガタンゴトン……。
6両ほどの夜行列車が、線路を走る音が鳴り響く。
「ん……?」
目を覚ました1人の少女が、眠たそうに瞼をこすりながら辺りをキョロキョロと見回す。
隣の座席では少年が黙って本を読んでいた。
立ち上がって少し歩いて様子を窺うと、後ろの方まで人が沢山座っている。ここが新幹線か特急列車の中だということは、少女には辛うじて理解できた。
だがなぜ自分がこんな所に?
こんな列車に乗った記憶はないし、そもそも彼女が住んでいる地域はものすごく田舎だから、街には電車すら通っていないのだ。使う用途もない。
元いた席に戻った。そして恐る恐る、隣の少年に尋ねてみた。
「あの、すみません」
「何でしょう」
「いきなりでびっくりされるかもしれないんですけど、ここは列車の中ですか?」
「はい、そうですよ。『グリーントラベル号』という夜行列車です。その名の通り緑の車体が美しく、車窓からはきれいな星空が見えます。目的地は"ラッセル"という、渓谷がある駅です。あなたは初めてご乗車されるんですか?」
サーカスのピエロのような格好をした少年が、説明しながらも不思議そうに少女に尋ねる。一方の少女はグレー色の髪でショートカット、顔はロリ系でかなり可愛らしい。年齢は両方とも15歳だ。
「ええ、初めてよ。ねえ、もしかしてここは外国なんじゃない?私の名前はユウヒって言うの。日本にいたんだけど、あなた何人?」
「ここは『エルバートストン』という、ヨーロッパ東部にある小国です。僕の名前はペタ。日本?聞いたこともないな」
ペタはユウヒの出身国にまるで聞き覚えがないのか、首を横に降る。ユウヒの方も、全く知りもしない異国にいることを実感し、強い不安が押し寄せた。
「ペタ。私はなぜここにいるのか、今の自分には全然わからない。でもどうしても日本に帰らなければならないの。多分飛行機に乗るのよね。この国に空港はある?」
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