0人が本棚に入れています
本棚に追加
1章 拒否出来ない頼み
「君ー突然だが今日から、日本の皇太子殿下の振りをして欲しい!」
.........は??
何を言っているんだろう、このおじさん...いや、紳士は?
そもそも、高校の古びた校門の前に突如現れた男性に、急にそんなことを告げられても困るんですが?!
「あの...私はー華怜(かれん)は、こう見えても1人のか弱い女子ですよ?むくつけき男子じゃなくて!」いや、それよりもまず、この紳士は誰!?
「それよりもあなたは誰だーって顔をしてるね?
俺は、あんたの親に金を貸した、▽▽ 銀行の者だ。」
私の親が、銀行にお金を貸した...??
ーえ...はい??
「あの、私、そんなこと1文字も聞いてませんがー」
「だからだね、その借金の方に、君を"皇太子殿下の身代わり”にする事にしたんだ!」
だからだね、って、、はい?私の意向はまるきり無視ですか!?
"皇太子殿下の身代わり"とか、借金の方とか...こちらは全く意味分かんないのに、、もう拒否できない感じ??...うちの両親、一体この銀行からいくら...幾らお金を借りたの!?
「ち、因みに、私の両親があなた方に借りた金額って...どのくらいですか?」
「...億」
「.........へ?」
「...4億ー皇族の方の、1年間のお金よりも...遥かに多いですね!」
...と...とんでもない額のお金じゃん!! あぁもぅ...どーしてそんな大金借りて...返さずに死んじゃったのよ、お父さんお母さん!
「事の重大さがお分かり頂けたようで何よりです...ではー身代わりの役目、引き受けてくれますよね...?」
...あぁあ...!!...これからの私ー雨薇 華怜としての11回目の人生ー早くも...つ、詰んだ!!
次こそ...次こそは平和に、平凡に生きようと決めていたのにー!!
最初のコメントを投稿しよう!