片想いの女の子が好きな男の子を振り向かせるだけの話

13日目

「５時間目は自習です。」
と教科担当の先生が言った。私たちの担当の先生は病欠なんだそう。
それだけを私たちに伝えるとその先生は自分の担当するクラスに戻っていった。
それが合図のように彼が食べかけのカツ丼を食べ始めた。
クラスメート達がそんな彼を見て笑っている。
なにか理由があるのだろう。でも...なんで？
５時間目の授業が終わってすぐことの真相を明らかにするためさっきのことを聞いてみた。
「どうしてさっきご飯食べてたの？」
「さっきの時間に食べなかったらせっかくの食堂のカツ丼が冷めちゃうから...。」
と少しばつが悪そうに言った。
「それは仕方ないね。」
と私が笑うと彼も笑った。