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Black Widowers4
翌日からモーテルに拠点を移し本格的に黒後家蜘蛛狩りを開始した。
「ノイジ―ヘブンには人の性癖の数だけ店があるっていうけど……」
ピジョンはノイジ―ヘブンの大通りに立っていた。
対岸のショーケースじゃ黒革ボンテージに身を包んだ女王様が、全裸にボールギグのマゾ男を鞭打っている。
童貞がモッズコートを着て歩いてるピジョンには刺激が強すぎる光景。
正確には卒業済みだが、酔っ払ってちゃノーカウントだとスワローに切り捨てられた。
正直な所、ピジョン自身も確かに抱いたと断言できない。泥酔してたせいか当時の記憶は曖昧だ。覚えているのはバーで女の子と相席した事、その子と話が弾んだ事、モーテルの一室になだれこんだ事。朝起きたらベッドはもぬけのから、相手はどこかへ行ってしまっていた。
『ふかしてんじゃねえぞピジョン、誰が好き好んでテメェのチェリーを摘まむってんだ?モーテルに連れ込んだのは計画的犯行さ、身ぐるみかっぱいでずらかるはらだったんだ』
『財布はちゃんとあったぞ、カネも残ってた』
『ばれそうになったんで退散したんだろ』
スワローは頭から勘違いだと決め付けて信じようとしない。さんざん遊びまくってるくせに、兄が女を抱くのは許せないらしい。
『チェリーこじらせてファンタジーに縋るっきゃねえとか哀れだな。サキュバスと二回戦できるように祈ってやろうか』
思い出したらむかむかしてきた。スワローのヤツ、そんなに兄さんの言い分が信じられないのか。挙句にぽんと肩を叩いて哀れんできた。
事実を確かめたい一心であれから何度もバーに行ったが結局会えずじまい、数か月経った今じゃ抑圧された願望が高じた夢だったのではピジョン自身も疑い始めてる。
いやいやスワローの言うことを真に受けるな、絶対抱いた。起きた時全裸でだるかったし、モーテルのゴミ箱の中も確かめたんだから間違いない。
男の沽券に関わる一大事に躍起になり、容姿の仔細を思い出さんと努める。
『はじめて?ガチガチね』
記憶の襞をまさぐる。頭の奥で既視感が騒ぐ。
『あなたの手、固くて豆だらけね。指も長くて逞しい。仕事は何?』
指の股に指が食い込む。最初は緩く、だんだん強く締め上げていく。彼女がピジョンの指にキスし、含む。
胸の高鳴りに比例して瞼裏の映像が鮮明さを増していき、ピジョンに組み敷かれた肢体が暴かれる。
『あなた、お一人?』
目の前をストロベリーブロンドの少女が通り過ぎた瞬間、閃光が爆ぜた。
どうして今の今まで忘れてたんだ。
あの夜ピジョンが抱いたのは、キマイライーターの金婚式で踊ったグウェンダリンだった。
必然?
偶然?
おそらく偶然。
たった一度の出来事など、火遊び常習犯のグウェンは覚えちゃなかった。
待て。
ひょっとして、気付いてたのか?
上流階級の紳士淑女が集うパーティーでわざわざ俺なんかに声をかけてきたのは、面識があったから?
けど肝心の俺がド忘れしてて、それでがっかりして、初対面で通すことにしたんじゃないか?
『よければ踊らない?』
『どこかで会ったっけ?』
『正真正銘はじめましてよ』
今思えば、あの会話は意味深だった。
本当に初対面なら「正真正銘」なんて強調するのは不自然だ。グウェンはピジョンに気付いてほしかったんじゃないか?
次々新事実が発覚し、大混乱に陥る。
「あ゛~~~~~~~~~~~~~~ッ!」
奇声を上げて頭をかきむしるピジョンに通行人がぎょっとする。
「俺の馬鹿!完ッ全に思い出したあの子はグウェンだよ間違いない、おんなじチョーカーしてたしストロベリーブロンドのボブもくりっとした目も一緒じゃないか!なんですぐ思い出さなかったのさ馬鹿馬鹿、人んちの庭で下着まで脱がそうとしたくせに最低だ、スワローの節操のなさを笑えないぞ!いやでも酒が入ってたし仕方ないじゃないか、グウェンもグウェンだよ水臭い、一言教えてくれたらよかったじゃないか。いや知ってどうなることでもないけどさ」
結局スワローの飛び入りで喧嘩別れしたまま、連絡先も交換できなかった。
って、何言ってるんだ。
仮に連絡先を交換した所で、資産家の令嬢と一介の賞金稼ぎがどうなるものでもない。月並みな表現だが、住む世界が違いすぎる。
ピジョンとグウェンが会えたのはお転婆娘がお忍びで下町に来たからで、キマイライーターの金婚式に招待されるようなサプライズが降ってわかないかぎり再会は叶わないのに。
でも。
あともうちょっと、ほんのちょっとだけ勇気をだしてたら、セフレは無理でも飲み友達にはなれたかもしれない。
スワローや劉を交えてバーで飲み、「俺の初めての子だよ」と紹介できたのかもしれない。
「……グウェン、元気かな」
ノイジ―ヘブンの空の下で童貞を捧げた少女を想い、ため息を吐く。金婚式に出たのは三か月前、あんな形で別れてしまったのが悔やまれる。二度と会うことはないにしても、幸せを祈りたい。
『……引いたでしょ、姉さんに……なんて』
彼女もまた、報われない恋をしていたから。
愛しげにロケットペンダントをなで回すグウェンを追憶し、しみじみしていた矢先だ。
「君いくら?」
「ッ!?」
突然太腿をさわられた。反射的に振り返れば、やにさがった男がいる。ピジョン改めカナリーの客。
「うぶい反応だね。立ちんぼは初めてかい?店と違って色々戸惑うだろ。前払い後払いどっち?」
「あっ、あっ、あっ」
カナリーがテンパってる間もセクハラは止まない。無骨な手が太腿をなで回し、足の付け根に遡っていく。現在、ピジョンは女装で通りに立っていた。周囲には娼婦や男娼がたむろっている。何も好き好んでこんな事をしてるわけじゃない。スワローに命令され嫌々渋々、情報収集の為だ。
「待って、聞きたいことがあるの」
スワローは現在不在、別行動中。ピジョンは女装のまま、半日放置プレイをかまされている。
しかも「偽名はカナリーな」と一方的に告げられてしまった。ピジョンが以前思い付いた名前と同じなのは皮肉な偶然というほかない、スワローとネーミングセンスが同レベルなのは純粋にショックだ。
「聞きたいこと?」
「人をさがしてるの」
ドレスの裾に割り込もうとする手を慌てて差し押さえ、せいぜいしおらしい表情をこしらえる。
「黒後家蜘蛛って知ってる?賞金首の……ノイジ―ヘブンで獲物をさがしてるんでしょ、なにか知らない」
「賞金稼ぎか?そんなふうには見えねえが」
「友達の仇を討ちたいの」
スワロー監修によるピジョンの女装は完璧だ、普通にしてるぶんにはまずばれない。もとより目鼻立ちは地味に整っているため厚化粧で簡単にだませる。男心をくすぐる素振りは母とスイートを参考にした。
さりげなく腕を絡め、せがむ。
「どのみち黒後家蜘蛛が好き勝手してたんじゃ安心して通りに立てない、商売上がったりよ。どんな些細な情報でもいい、知ってたら教えて。ねぐらはどこ?見かけたことは?アイツと寝た人に心当たりは」
「どうだっていいじゃねえかそんなの、危ねえ事は本職にまかせて楽しもうぜ」
また空振りか。舌打ちしたくなる。通りに立ち半日、面白いように男は釣れるものの黒後家蜘蛛の消息に繋がる収穫はゼロ。節穴ぞろいの野郎どもはピジョンを男と疑ってかかることなく、べたべたさわりながら口説いてくる。
「我慢できねえ。早く路地に行こうぜ」
貞操の危機を感じたら撤退の合図。尻を揉みしだく男をやんわり制し、微笑む。
「いけない、避妊具切らしちゃった。買ってくるわね」
「ピル飲んでねえの?俺は生でも」
名残惜しげな手をふりほどいて一目散に逃げ出す。どうにか安全圏まで辿り着き、徒労感に肩を落とす。
「お客さんすごーい絶倫!3Pで三回戦までイケた人初めて、めろめろになっちゃった」
「また絶対きてね、うんっとサービスから!そうだ、今度は5Pにしない?お店の子たちに声かけとくからさ~いっそ貸し切っちゃわない?」
「考えとくよ」
今しも大店から肩で風切り出てきたのは、黒いタンクトップにスタジャンを羽織った少年。両手にうさ耳娼婦をぶらさげ満足げな様子に、開いた口が塞がらない。
跳びはねながら帰ってく娼婦を見送り、少年がこちらを向く。
「よ」
「兄さんに立ちんぼさせて女の子買ってたのか」
「情報収集の一環」
「なんで俺だけ女装?」
「俺のが女受けいいし。お前はスケベ野郎からネタ集めてこいよ、色仕掛けは得意だろ」
「別行動したいって言い出した時からやな予感してたんだ」
こともあろうにスワローは、ピジョンが往来に立ってる間娼館に入り浸ってたのだ。
「何怒ってんの?二人でおんなしとこ突っ立ってても意味ねーじゃん、役割分担しようぜ」
「明日は俺が聞き込みするからお前が立てよ」
「一日交代で通りに立てってか?まどろっこしいな、人には向き不向きがあんだよ。俺は口説く方、お前は口説かれる方。俺は抱く方、お前は抱かれる方」
「一生受け身でいろってか?やなこった」
グウェンの一件がぶり返し、言い返す声が険を孕む。
「俺だってやる時はやる、プロの女の子たちからだってちゃんと聞き込みできるさ」
「よっくいうぜ、童貞丸出しで上がりまくるくせに」
「お前が行っても収穫ゼロじゃないか」
「店が悪かったんだ。明日は別んとこあたる」
「物は言いようだな」
ピジョンの皮肉を受け流し口笛を吹く。余裕ぶった横顔が癪に障る。
「兄さんが路地裏に引っ張り込まれてもいいのかよ」
「教会で叩きこまれた護身術はインチキか。狙撃手なら股間に一発キツいのくれてやれ」
「明日はお前の番だからな」
「へーへー」
やる気のない返事に脱力し、肩を竦めた直後に名案が閃いた。
「劉を誘おう」
「あ゛?」
「仲間は多い方が能率上がる。劉と上司の呉さん、だっけ?あの人気分屋でおっかないから劉だけでいいか。どのみち目的は同じ、だったら二人より三人の方が」
「懸賞金は?山分けすんの?」
「取り分は少なくなるけど、別にかまわないだろ。劉なら裏社会に顔が利くしきっと頼りになる、黒後家蜘蛛とも因縁ありそうな口ぶりだったじゃないか。モーテルの部屋が偶然隣同士になるなんて天の配剤、大袈裟に言えば奇跡や運命の類だよ。アンデッドエンドのなじみ同士、協力して事に当たれって神様の思し召しさ」
「よく聞けピジョン、アイツは『哥哥の古い知り合い』ってほざいたんだ。直接の知り合いでもなんでもねえ」
スワローが不機嫌に訂正する。
ピジョンは食い下がる。
「じゃあ呉さんに聞きに行かない?俺も黒後家蜘蛛の詳しい素性を知りたい、そこから潜伏先が見えてくるかもしれない」
「相手はド腐れ外道のチャイニーズマフィア、ガンクレイジーのラトルスネイクだぜ?馴れ合うなァぞっとしねえな、寝首をかかれる」
「いうほど悪い人じゃない。多分」
「金庫番と逃げた愛人を舎弟が勢ぞろいした前でブチ犯した」
「噂だろ」
「スラムのガキを檻に閉じ込めて売り買いしてる」
「現場を見てもないのに憶測で判断するな」
「やけに庇うじゃねえか。あーゆーオラオラ系が好きなのか」
スワローが気色ばむ。
ピジョンは一瞬口を噤み、降参したように呟く。
「……得意か苦手かで聞かれたらめちゃくちゃ苦手だよ。でも劉の兄貴分で先生の元相棒だし、あれでも人の親なんだ」
「親らしいことしてんの」
「それは」
言葉を失い立ち尽くす。
ピジョンが知る呉はいかなる事情からか、一人娘のシーハンと関わるのを徹底的に避けていた。時折様子を見に来るだけでは父親の義務を果たしてるとは言えまい。
一方、廃モーテルに乗り込んで娘を救出したのも否定しがたい事実である。
「……呉さんが父親失格かどうかはおいといて、貴重なネタもとになってくれそうなのは確かだろ?」
黒後家蜘蛛と旧知の呉から情報を引き出せれば、他の賞金稼ぎを引き離すアドバンテージが得られる。
虚空に据えた赤錆の眼差しが真剣な成分を含む。
「それが黒後家蜘蛛への近道なら、劉や呉さんと手を組むのもアリだと思ってる。向こうさえよければ、だけど」
「俺の意見はシカト?」
スワローがポケットに手を突っ込み石を蹴る。
「チームで行動すんのは向かねェ」
「兄弟でバディ組んでるのに」
「赤の他人は願い下げ。うまくいきっこねえ」
「劉とは一回組んだろ?コヨーテ・ダドリーの時」
「アイツの名前だすな」
ピジョンの修行中の出来事をスワローは語りたがらない。コイツの性格なら大っぴらに自慢しそうなものなのに。
「勝手に話進めてっけど、あっちの都合はお構いなしか」
「賞金稼ぎとして黒後家蜘蛛を捕まえにきたんだろ」
「蟲中天の幹部アンドその右腕として裏切り者の始末にきたんじゃねえの」
呉たちの目的が黒後家蜘蛛殺害なら、生け捕りを望むピジョンと共闘は無理だ。
弟の指摘を受け、反省する。
「ごめん、先走ってた。まずはそこんとこハッキリさせないと」
「よろしい」
「生け捕りで意見が合ったら」
「ストップ」
「最後まで聞け」
「懸賞金四等分とかしょぼい成り行き絶対やだね、ラトルスネイクはともかくシケモクチェリーはいるだけ足手まといだろーが」
「蟲中天幹部の腹心やってる位なんだから、そこそこ強いだろ」
とはいえ、劉が戦ってる所を見たことないので断言はできない。
スワローの目を淡い疑問が掠める。
「俺とお前がそろってて、これ以上なにがいるんだ?」
スワローは自由奔放な燕だ。
他人と馴れ合うことをよしとせず、唯一血を分けた兄にだけ心を開く。
「ラトルスネイクがデカいネタ持ってんなら、それだけ引っ張りだしてポイすりゃいい。他人は利用するもんで信用するもんじゃねえ」
「劉は友達じゃないか」
「下僕だよ」
「スワロー!」
ピジョンが本気で怒り、肩を掴んで振り向かせる。
「俺は友達だと思ってる」
実直な表情で念を押す。先に視線を切ったのはスワローの方だった。
「トリオ結成したきゃ勝手にしな。スワローと愉快な下僕たちに改名する気ねえからな」
ピジョンを足早に振り切りモーテルへ帰る。頑なな弟に疲れ果て、ピジョンも続く。
初体験の真実は言いそびれてしまったが、構わないかと思い直す。グウェンに童貞を捧げた事は胸に秘めておく。
アンデッドエンドを発って二・三日しか経ってないのにデスパレードエデンが恋しい。
「キャサリン、ちゃんと食べてるかな」
スイートやサシャは元気にしてるだろうか。大家は心配せずとも元気なはず。ピジョンが留守中、餌付けしている鳩たちが飢えないことを祈る。
グウェンにも会いたかった。
ねえグウェン、君は覚えてたの?
俺があの夜寝た男だと知ってて、ダンスに誘ったの?
童貞を捧げた女性に想いを募らせ、その柔肌の感触や残り香を反芻し、甘美な余韻に浸る。
『一緒にダンスもしたし……友達って呼ぶのは気が早いかもしれないけど、他人以上知人未満程度には親しい間柄よ』
君と友達になりたい。もっといっぱい話したい。できることなら悩みを分かち合いたい。
軽く引いた片足を蹴り出し、狂騒に沸く道端でステップを踏む。
あれからちょっとだけ上達したんだよ。
もう足は踏まない。
モーテルに帰るなりスワローはシャワーを浴びに行く。ピジョンはシャツとスラックスに着替え、窓の向こうの空を仰ぐ。
「ピジョン、スワロー、いるか」
ノックが部屋に響き渡る。ドアを開ければ劉がいた。片手にタブロイドを持ち、反対の手に紙袋を抱えている。
「昼飯まだ?一緒にどうだ」
「呉さんは?」
「一人で行っちまった。娼館にしけこんでんだよどうせ、せめてメモ位残してけっての、タコスが冷めちまった」
「それ今日の新聞?」
「読む?」
「有難く」
立ち話もなんなので部屋に招く。劉がソファーに身を投げ出す。バスルームからは規則正しい水音が響いていた。
「調子はどうだ」
「全然。手がかり掴めず苦労してる」
「そか」
「劉は?呉さんと別行動か」
「うちの哥哥は束縛いやがんだよ。俺の方もまあ、蟲中天のツテ頼って聞き込みはしてっけどハズレ続きだな。余っ程上手く隠れてんのか匿ってるイロがいんのか……喫っていい?」
劉が煙草をとりだす。銘柄はモルネス。すかさず灰皿をおしやる。新聞の一面には煽情的な見出しが躍っていた。アンデッドエンドで起きた強盗殺人事件の報道らしく、murder the whole family……資産家一家皆殺しとタイプされてる。
「物騒な世の中だ」
思わず眉をひそめ、活字を読んでいく。劉は退屈げに紫煙をくゆらせていた。
「来てたのか。それ何」
「タコス。食うだろ」
そこにバスタオルを腰に巻いたスワローが登場し、紙袋に手を突っ込む。上半身裸でタコスを頬張るスワローをよそに、ピジョンは食い入るように新聞を見詰めている。
「どうした、顔色悪いぜ」
劉の声が遠のく。耳鳴りが酷い。両手に広げた新聞が宙を滑り、床に落ちる。
一面には両親と娘二人がそろった、一家の写真が掲載されていた。右手前にたたずんでいるのは、ストロベリーブランドのボブヘアと、アーモンド型の目が可憐なはたち前後の少女だ。
『アップタウンの惨劇!富豪を狙った強盗か?ロバーツ一家惨殺
9月12日未明、アンデッドエンドの富裕層が住むアップタウンで凄惨な事件が起きた。
事業家ジョン・ロバーツ氏とその細君、ならびに娘二人が無残な遺体となって発見されたのだ。
殺害されたのはジョン・ロバーツ氏(50)と妻のオードリー・ロバーツさん(43)、長女のミリアム・ロバーツさん(20)ならびに次女のグウェンダリン・ロバーツ(19)さん。
一家の遺体には無数の刺し傷が認められ、二階寝室で発見されたミリアムさんとグウェンダリンさんには強姦の痕跡もあった。現場となった邸宅が荒らされていた事から、当局は強盗の犯行と見て捜査を開始した。
ジョン・ロバーツ氏は現市長の縁戚にあたるアンデッドエンドの名士。キマイライーター夫妻とも親交が深く、三か月前に開催された金婚式の祝典に招待されていた。
市長はこの事件に遺憾の意を述べ、ロバーツ一家を手にかけた犯人に一億ヘルの巨額懸賞金を賭けると発表。
市長主催のロバーツ一家追悼式典は、一週間後にマーダーホールを貸し切り行われる予定だ』
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