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日が昇るのが早くなってきたなーー
朝、家を出ようと玄関の扉を開けた瞬間、真っ直ぐに射す陽光に思わず目を細めた。
まだ5時前だというのに、外はすでに明るい。
つい最近まで、この時間はまだ真っ暗だった気がするのだが…。
「ん?」
鍵を閉めようと、未だ微睡んだ状態で太陽に背を向けたその時、足元に何か落ちているのが視界に入った。
「ハンカチか」
明らかに女性ものだろう。
綺麗に折り畳まさっているピンク色のハンカチを拾い上げると、見覚えのある桜模様が目に飛び込んできた。
「これって……」
チラリと、隣の部屋に視線を向ける。
うろ覚えではあるものの、昨夜お隣さんからもらったタオルと、同じ柄な気がする。
しかし、仮に彼女のものだったとしても、こんな朝早くにチャイムを鳴らす訳にはいかない。
それなら部屋の前にそっと置いておこうかとも思ったが、それもなんだか気が引ける。
「やっべ、時間!」
会社に遅刻しそうになった俺は、とりあえずズボンのポケットにハンカチを突っ込み、アパートの階段をかけ下りた。
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