墓場まで持って行く話

4/6
前へ
/6ページ
次へ
ひとつ屋根の下。 いつでも逢えるしいつでも触れ合える。誰にも怪しまれずに一緒にいられるのだ。 「あんた達いい歳なのに気持ち悪いわね」 母親からそんな言葉をかけられたが、その顔はとても朗らかだった。 いつまでも仲良しの兄妹に安心しているのだろう。 愛菜が同じ高校に入ったのも理由は簡単だ。あえて話す必要はないだろう。 兄妹で旅行にも出かけた。 「彬、何かあったら愛菜を守るんだよ」 母親は微塵の疑いすら抱かなかった。 しかし楽しい思いばかりでは無い。 恐れていたあの時が来てしまった。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加