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「えっ!妊娠?」
「そうみたいなの。生理が遅れてて、検査したら陽性だった」
どこか嬉しそうな愛菜に初めて恐怖を感じた。
「堕ろそう」
自然と口から出ていた。
「いやっ!私1人でも産む」
よくあるドラマの主人公になった気分だった。
「なに馬鹿なこと言ってんだ。俺たち兄妹だぞ!」
愛菜は聞く耳を持たなかった。
「兄妹喧嘩なら静かにやってくれ!」
下の階から父親の声がした。
愛菜のお腹を蹴ろうとしたが上手く避けられ反撃された。
そこからの記憶が無い。
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