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スクープ3 隠れ家
次の日、絵美姉ちゃんにはすっごーく誤ってもらえたし、反省文は、何とか書いたし。先生には、プリントとお金返してもらって。ほかの先生には、間違ってるところの指摘を受、金とってるならしっかりやれと、激を飛ばされた。
「え。間違ってたの?」
「うん、でね、これが正解」
「ふーん、サンキュ、へーこうすりゃいいのか、よし、この辺突っ込むか」
「じゃな」
「ありがとな」
そして中間テスト。
終了後、全員の名前が張り出されるんだけど。
「ねえ、これ、俺らがするの?」
「そうよ、来年から一人だから、うまく友達使いなさいよ」
「そうそう、絵美みたいにスパルタでね」
「もう、そんなことしてない、書道部にしたら、練習兼ねてるんだから一石二鳥でしょ、はい次」
「絵美ちゃん先輩こわーい」
「ほら、手を休めない」
「こわーい」
ここには放送部、生徒会、そして書道部の面々がいます。
書道部は、高校で書道パフォーマンスをするんだとここで力をつけていくと張り切っています。
半紙に、名前を書き込んでいます、乾いたら張り合わせ、点数は後で先生が入れますが、順位はわかります。
「お、尚君、頑張ったね」
「すごい、十番」
やったー。
「十番ぐらいで喜ぶな」エー、と口をとがらせた。
「絵美は?」
「ねえ―聞いて―、絶対、山内、私のこと嫌いだよ」
「はい、はい、二位ね」
「二番?」
「三年間二位だった、ぐやじいー、まだあるから、絶対一位取ってやる!」
へえ、姉ちゃんもこんな顔するんだな。
「一年、乾いたの張り合わせて」
はーい。
ドライヤーで乾かした紙を貼り合わせる。二年生は書道部員が中心となりやってくれる。
「卒業しても、後輩にしっかり頼んでおくから、今度は尚、君が、あいつらが入ってくるまで、しっかり稼いでね」
「はい、頑張ります」
「サー、俺たちも頑張るべ」
「特性カレーライス待ってるからね」
ハーイ、とみんなの声がした。
商店街の端の方、杉の店からはだいぶ離れるけど、駅に近いところだからかもしれないけどそこに喫茶リバーサイドという店がある。
川はここにはないけど、まあ荒川はあるしね。
何でも歌が好きだった前のオーナーさん、今のオーナーさんの親戚がつけたんだってさ。
ここは、絵美姉ちゃんたちの隠れ家。
もちろん兄ちゃんたちの御用達でもあるのだけど。初めて来たときは、お店の雰囲気に、すんげ―大人になったような気がしていて、ドキドキしたのを覚えてる。
「おいで、こっち、狭いからきおつけてね」
一年の書道部の子を連れて来た。
ねえ制服でいいの?今日はね。
「へー、いいね、隠れ家」
「だろ、でも内緒な」
「内緒はばれるぞ」
「それでも、ここに入れるのは、カウンターを通らなきゃ入れないから、大きい人や、関係ない人は通さないからさ」
「ふーん」
「お、来てるな」
二年生が来ていた。
「尚、なんかほしい」
「何?コーヒー?」
「ホット」
「俺も」
みんなは?
それでいいという。
下に行くと、三年生も来た、指さすうえ。うんとうなずいた。
「マスター、俺たちも」
「尚よろしく」
俺もカウンターに入ってマスターの手伝い。学ランを脱いでシャツ姿にエプロンをつける。
ここには俺だけじゃなくて兄ちゃんたち杉の関係者のエプロンがあって、ちゃんと名前が入ってるんだ。
コーヒーはただなの?
まさか、そこは俺たちの腕の見せ所。
「いらっしゃいませ」
「マスター、カレーセット二つ、大盛り」
「はい、尚、それ」
「お、売れたね」
「今日は出たな、涼しかったからな」
トレーに水を乗せ、お客様に出す。準備ができるまでに、マグカップと砂糖やクリームを桶に入れ二階にもっていく。
「ちょっと待っててね」
下に降りると、ちょうどできているのをお客様に出す。
「お待たせしました」
カウンターに並ぶポット。
「ほれ、二つでいいだろ」
ポットを二つ持って二階へ。みんなにコーヒーを淹れる。
「遅いな、どうしたのかな?」
「もうすぐ来ると思うよ、ほら、音してるもん」
ガラガラと外から聞こえる大きな音
「ご飯持ってくる、一年ちょっと手伝って」
また下へ行き、人数分の皿、スプーンをもって、俺はでっかいジャーをもっていく。
カレーのいい匂いが階段を伝ってくる。
「待ってました」
「ハ~重い、オー準備いいね、皿頂戴」
みんなの皿に、カレーが盛られていく。
「いただきまーす」
今じゃ、絵美姉ちゃんのカレーは俺も作れるようになったんだ、今は、ここ、喫茶リバーサイドに、俺が仕入れている、ドダ。
「でもよ、犯人が江川だったのはちょっと残念だったな」
「でもさ、なんで、殴ったの?下手したら殺人じゃん」
尚ちゃん、何かあったの?
うん、島先生が殴られてね。
「大きな声で話していいぞ、ここにいるのはみんなわかってるから」
「島先生、ウサギと結婚すんだ」
「まじで」
「知らなかった」
「かわいいよね、うさ先生」
「まあ狭い中での色恋沙汰だし、誰が誰を好きになるなんてわかんないしな」
「部長、知ったような言い方ですな?」
「だってよ、女子なんか、新任の先行来たら、すぐによっていくじゃんか」
「あー、真矢先生、かっこいいよね」
「もったいないよな三年は」
「残念でした、絵美、また一年戻る?」
「いやよ、木田、絶テーお前には負けん」
そう、万年二位の姉ちゃんの上にいる人は彼、木田先輩、書道部の部長さん、彼は、豪ちゃんが目標らしいんだけどね。
美味しかった。
お代わりあるよ。
もういいというもう寝るだけだしという女子たち。
ここにはいろんなものがあって、水だけは飲み放題かな。でもせっかくだから、コーヒーや紅茶を飲んだ方がいい。先輩たちはコーヒーのポットを手にして、入れていく。大人だな、俺はブラックはまだ無理だ。
「さて、食ったし、俺、帰るな」
「ありがと、またよろしくね」
「あと一回で終わりか、早かったな」
「次は後輩に任せましょ、じゃね」
「お疲れさまでした」
手伝おうかという一年、俺は彼たちに洗い物を頼んだ。
二階は、小さいけど洗い物ができるくらいの場所がある、グラスはここでいい、俺は下に皿なんかを入れたかごをもっていく。
下は、お客様が数人いた。
洗い物をしながら、隣で、コーヒーを淹れるマスター。
絵美姉ちゃんは、奥の狭いところで野菜の皮をむいているのが見える。
寸胴はもうからっぽで、二階から降ろしてきた残ったものをセット、まだ売れるからね。
二階から降りてきた子たちがガチャガチャと音を立て、いろんなものを置いて行く、ありがとう、またお願いします。
こんなところなら喜んでやるといってくれた、また仲間ができたようでうれしかった。
じゃなといって、別れた。
「姉ちゃん、俺行ってくるよ」
「うん、あそうだ、花子さ、ちょっと遅れるから、抱いてあげて」
「おばあちゃんだもんな、仕方がないよ、じゃね、マスターまた来るね」
「おう」
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