通り雨

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...... ...... ...... 今日も天気予報が外れて、突然の通り雨に見舞われた。 僕は黄色いハンカチを持っていたので、いつもの雨宿りできる建物に避難してから、水滴で濡れた顔を拭った。 しばらくして、ある一人の女性がこの建物に駆け込んできた。 僕は、一目見てシオリさんだと思った。 こんなにもすぐ会えるなんて、どれほど運が良いのだろうか。 次は、僕の新品の黄色いハンカチを使って貰おう。そしてまた、楽しくお話でもしよう。 そう思い僕は、「また、逢いましたね」と早速声を掛けると、シオリさんより少し幼なげに映った彼女の目が、水溜りを跳ねるようにパチパチと瞬いた。 「すみません、何処かでお会いしましたか?」 .
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