可愛女の子

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可愛女の子

俺、湯崎(ゆざき)(はる)は、今から高校生の絶対禁断地に入る。 バクバクと心臓の音を大きくて煌びやかな立てて扉を開いた。 「いらっしゃいませ、誰をご指名ですか?」 し、指名?誰でもいいんだけど……。 「じ、じゃああまりチャラくない、大人しい人で」 「……畏まりました。では此方(こちら)へ」 燕尾服(えんびふく)っぽい服を着たスタッフが、キラキラと派手な席に案内してくれた。 それからまたペコリと頭を下げて何処かに行っちゃった。 目の前のホストは、足を組んで、手をソファの縁に置いている。 ……うわぁ、態度デカッ。ホストってこんな感じなの? 「はじめまして、私は寧桜(ねお)って言います」 「……」 えっ、無視?そりゃ、大人しい人がいいって言ったけどそれはなくない? 思わずムッと頬を膨らます。なんだコイツ。チェンジだ!……いや、待って。俺の可愛さでメロメロになって話せないんだ!!そっか!でもグイグイ来て欲しい……。 「っ……私可愛くない?」 ふ、不安とかじゃない。確認だし。 男はフッと煙を吐いて、煙草を灰皿に捨てた。 「悪ぃけど女無理」 「……え?」 思わず素で聞き返してしまった。男はフッと笑って、俺の顎を掴んで、じーっと見つめた。 「ふぅん?……お前俺と寝てみねぇ?」 「はぃ…?」 突然の言葉にまた思わず間抜けな声が出た。何コイツ、今寝るって言った?寝るって枕営ぎょ……… 気づいた途端、顔がカッと熱くなった。 「っ〜!!」 「はっ、初心だな」 ニヤッと怪しい笑みを浮かべて、立ち上がった。かと思えば、俺の手を引いて車に乗せられた。 途中、仲間から「どこ行くんだ?」とか「喧嘩か?」なんて声が聞こえた。 そりゃそうだ。だって俺の事無理やり引っ張ってるし。 車に乗せられて、暴れたら「犯すぞ」なんて言われた。何コイツ!怖すぎ!!半泣きになりながら大人しく座った。 俺何処に連れてかれるの?怖い……誰か助けてぇ〜。 流れる景色をボーッと見つめた。何処に向かってるんだろ。帰れるのかな。とか色々考えてたら、高層マンションの前に止まった。 入口で部屋のパスワードを入力したら、扉が開いた。エレベーターに乗って、最上階の部屋へ。 部屋の扉はカード式。……高級ホテルみたい。なんて思いながら、入れと言われて入れば、すごくデカい部屋と綺麗な景色が待っていた。 「わぁ〜……!すっごいね!」 感動しながらも演技を忘れない。 男は、こっちに寄ってきて、すごく嫌そうな顔をした。 「お前が女じゃねぇって分かってるし普通にすれば?」 「へ……?」 ば、バレてた?!うぅ、最悪……。男がホストに行くなんて変だと思われた?気まずいことこの上ない。 涙目になって、クソッと思いながら睨みつけると、男はニヤッと笑って、突然抱き寄せられた。 「なっ……!!やだっ、離せっ!」 うわぁぁ、変なゲイに犯されちゃう!!やだぁぁああ!! 「抵抗された方が興奮する」 「っ……」 へ、変な性癖の変態だ……。 俺は言葉を聞いてピタリと止まった。 男は俺をじーっと見つめて、それから、顎クイされて目が合った。 頬掴まれてるから逃げられない…。 どうしよ……俺の完璧だと思ってた女装がバレるなんて! 悔しくて、更に涙目になった。
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