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異世界
深夜、人々が寝静まり、誰もいない公園。外灯だけがひっそりと闇を照らしている。公園の中には小さな噴水があった。
噴水の脇では女性が辺りを見回している。彼女の髪や服は水浴びをしたかのようにビショビショであった。
「遂に来たわ! 成功したようね」
私は呪文を唱えた。手のひらに小さな炎が浮かぶ。この世界でも呪文が使えるわ。まずはひと安心だ。
この姿では目立ってしまうかもしれない。この世界でも不自然にならない姿は…。そうだ、子鳥が良い。空を飛んで観察できるし、人と直に接しなくても済む。私は小鳥に変身することに決めた。
朝まではまだ時間がありそうだ。木に止まり、しばらく眠るとしよう。
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