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「お目覚めですか主様」
執事姿の少年がそう言って首を垂れる。
年齢は私と同じ15歳。愉快なシーバー一家にでていたころのレオナルド・ディカプリオに似ている。きっとあと数年もしたら絶世の美男子になるに違いない。ロミオとジュリエットの時はかっちょよかったな、ぐへへ。おっといかんいかんよだれが出てきてしまったぜ。自嘲しなくては。私は頑張ってキリっとした顔をつくろった。
彼の首には奴隷契約の首輪がはめられている。その名の通り奴隷がその証として首にはめているものだ。無理に外そうとすれば首チョンパしてしまう。これ、母さんです。みたいな? そんなそんなことになったら私の精神衛生上悪いので是非とも外そうなどと思わないでいただきたい。
「レオ。何か出物はあった? 」
「はい、レアリティN昇級の書が一冊」
彼の名前はレオナルド・ディカプリオ通称レオ。私が名付けた。勿論レオナルド・ディカプリオからとったものだ。どうやらこの世界は名前に引っ張られて運命とか性格とかが似てくるらしい。なので是非ともディカプリオのようなイケメンに育ってほしいという願いを込めて名付けた。今のところいい感じにイケメンに育っている。このまま絶世の美男子に育ってほしい。ただディカプリオのように育つと付き合った恋人は必ず25歳で振ってしまうのでそこは注似ないでほしいな。
「いくらだったの? 」
「はい、350000パールとなっておりました」
「35000て最初に買った値の10倍じゃない」
「仕入れがあるたびに主様が買われるので値を釣り上げているのではないかと」
「むむ…賢いわね」
「相手も商人ですから」
賢いと言ったのはレオに対してなのだがレオは商人に対して賢いと言っているのと勘違いしたようだ。
慎ましくて結構結構。初心を忘れず25歳以上になっても彼女を振らないように育ってもらいたい。
「定価で…元の価格で買うことはできないの? 」
「主様は領主様の一人娘なのですから無理やり接収すればよろしいかと」
「なるほど確かにそうすればただね」
「いつも領主様はそうしておられます」
可愛い顔してなかなか過激なことを提案してくる。そんなことしたら商人たちに恨みを買ってもう売ってくれなくなるのでは? そう思ったが父上がいつもそうしているならもうすでに手遅れかもしれない。
まぁ私はいいカモと思われているんだろうけど。
「いままで法外な値段をつけていたことを責めて搾り取ってやりましょう」
レオが黒い微笑みを浮かべた。可愛い顔していい笑顔するようになったものだ。25歳以上は振りまくるマンになる片鱗が見えた気がする。
まぁ、それはそれとして10倍は高すぎると思う。この世界には独占禁止法はないのだろうか。
「不織布マスクだってガンプラだってプレステだってスイッチだって、転売ヤーが買い占めても10倍にはならなかったわ。この世界のモラルは一体どうなってるのかしら」
「主様? 」
しまった。つい声に出して言っていた。聞きなれぬ言葉の羅列にレオが戸惑ってしまっている。
「な、なんでもないわ。おほほのほ」
「…」
レオはしばし何事か考えていたが、なにか納得したように頷いた。
「私ごときでは理解できぬ深い知識があるご様子。さすが主様です」
はい、さすが主様です。いただきました。
レオは私が5歳の時に両親に買ってもらった奴隷だった。
本当は自分で奴隷市場に買いに行きたかったのだが、さすがに5歳で奴隷市場に出向くのは危険ということで止められ、あてがわれたのが彼だった。
もしかしたら私のためにわざわざ奴隷に落としてあてがわれたのかもしれない。領民の栄養状態は劣悪だったがレオは最初から血色がよかった。元は良いところの家の出なのかもしれない。なんというかうちの両親は贔屓目に見ても悪人の領主様なので領民は飢えてやせ細っているのだ。
「好きに使うといい」
両親はそう言ってレオをおいていった。彼が怯えながら部屋の隅っこでふるえていたのを今でも覚えている。
かわいい男の子を好きにしていいと言われた私は喜び勇んだけれど悲しいかな5歳ではエロいこともできず、なんとなく読み書きとか算術とかを覚えて仲良くなったのだった。大人になったらエロイことする予定だけど今は他にすることないし。現代人の私には奴隷だからってわざわざ虐めるとかわけわかんないし。私にショタの趣味があったらぐへへなことになっていたかもしれないけど。良かったなレオよ私にそんな趣味がなくて。
5歳から奴隷の彼に一般的な教養はない。私が気まぐれに教えた算術や読み書き偏った教養に関しては人並み以上にあるだろうが、それ以外の事は何も知らないはずだ。とてもアンバランスな存在と言ってよかった。
そんなアンバランスな彼だったから、レオは私の事を極めて好意的に解釈して尊敬してくれているみたいだった。何を言っても怒らないし、怒らないどころかアクロバティックに解釈してとんでもなくできるご主人様だと勘違いしてくれるし、ていうかこいつ絶対私のこと好きだし、なんか理想のご主人様むしろ聖女様みたいに見てくるし。おかげで彼を失望させまいと距離を置かざるを得なっちゃってる。だって失望されるのは怖いもん。せっかく聖女だって思われてるんだからその幻想を失うのは怖い。大人になったらエロいことするつもりだったのにすっかり怖気づいてしまっている。まぁエロエロいってるけど私まだヤったことないしね。処女だしね。はっはっは、私に萌えていいぞ。
「あれからもう10年なのねぇ」
「どうかされましたか?」
「レオも大人になったなと思ってね」
邪な心を見抜かれないようにキリっとした顔になるように努める。結構疲れるんだなこれが。
「15歳はもう成人ですから。それに大人びているというのなら主様の方こそ相当大人びていると思います」
「それはそうでしょうねぇ」
なにせ私は異世界からの転生者だから精神年齢はずっと高い。48歳の頃に転生して5歳の子供に宿った。それから10年たったので実質58歳だ。もうすぐ還暦だ。お祖母ちゃんだね。うはははは…はぁ。
ちなみに処女って言うのは現世からの話ね。いや違うの。違わないけど私に説明させてほしい。私の若いころは夢の為に頑張ろう。女性の社会進出。女も働くべきだってそういう世の中だったんだよね。だからそれを真に受けて夢だった図書館書士になって働いてたんだよ。本が好きだったからね。でも図書館書士なんて職業本当はないんだなこれが。みんな非正規、アルバイトなわけ。期間満了で解雇になるわけさ。年収も250万しかなかった。そこから大学の奨学金なんか返してたら気が付いたら35だし借金あるのに彼氏なんて作ってる暇なかったし。そっからお見合いなんかしてもまともな男はもうみんな結婚してたし。36になったら一気に見合いの話がなくなるし。結局48までずるずると結婚どころか恋人もできずに来てしまった。これ私悪くないよね。悪くない。うん、悪くない。世の中が悪いよ。安部ちゃんが悪い。竹中平蔵、次が悪いんだ。そういうことにしておこう。そうでないと誰かのせいにしないと私の精神が崩壊してしまうよ。光が広がっていく。星はね。もっとばーって輝くんだよ。ド畜生。
「私にはやらなくてはならないことがあるから」
恰好つけて遠くを見つめつつ言ってみる。きっとレオはなんかいい感じに受け取ってくれるだろう。
「主様はなにか大きなことをなそうとしているのですね」
案の定レオはなんかいい感じに受け取ってくれている。
いえいえ、ただ自分が生き残りたいという小さなことをなそうとしているだけですよっと。
ああ、そうそう、言い忘れてたけどこの世界はとあるスマホゲームの中の世界だ。私はこの世界に転生したみたいだ。ゲームの名前は忘れた。覚えていない。スマホゲームといったって一つだけやっていたわけではないし、このゲームに至っては事前登録のガチャだけ引いてリリースされてしばらくは気づかなかったレベルでどうでもいい存在だった。こんなことになるくらいだったらゲームのシステムについてもっと理解しておくんだったと後悔したがもう遅かった。
そんなわけで私は転生者として、このゲームを知るプレイヤーとして、この世界を知っているという利点について何一つ享受できていなかった。ゲームの知識はないし、チートもない。それどころか自分のステータスすら見ることができない。ゲームの知識がないのでどのアイテムが良い物なのかとか、どのキャラが強いのかすらもほとんどわからなかった。
ただそんな中でも一つはっきりしているのは今の私はゲームのチュートリアルで主人公たちに真っ先に殺される噛ませ犬の悪役貴族の娘ということだった。父親は噛ませ犬だからカマセ男爵という名前だった。こんなひどい名前どうして誰もつっこまないのか。まぁ、そのおかげですぐに誰に転生したかわかったんだけどね。
ともかく少ない情報の中でもなんとか上手く立ち回って私達を殺しに来る主人公達を返り討ちにしなくてはならなかった。そのための準備にレアリティ昇級の書なんかを集めて回っているというわけだ。レアリティっていうのゲーム性能のランク付けみたいなもので高ければ強く低ければ弱くなる。同じレベルでもレアリティが高い者の方が基本的に強くなる。何事にも例外はあるけどね。このレアリティにはゲームによっては昇級というものがあり上位のキャラに進化させることができるゲームもある。このゲームがどうなのかわからないけどレアリティ昇級の書なんてものがあるんだからたぶんできるんだろう。ゲームシステムが分からないのでこのレアリティ昇級の書だけで本当にレアリティ昇級できるかどうかも分からないんだけど名前から言って無関係でないのは確かだろう。たぶん。
ちなみに主人公と仲良くなるという選択肢はもうない。最初に肉体に宿ったのが5歳のころでそれから試行錯誤すること10年。その間に父であるこの国の領主は主人公の村を焼き払い主人公の母を殺し、姉にいたっては人体実験の素体にされ「うーにーこらー」とか意味不明なことを叫びつつ夜な夜な町の若い男を襲って食い荒らしていることが分かっている。絶対復讐に来るわこんなもん。
「SSRがレオだったらよかったのになぁ」
私はレオの横顔を見ながらため息をついた。もしレオがSSRだったら話は簡単だ。俺の安全は保障されたようなものだ。
ゲームのレアリティには5段階ありSSR>SR>R>N>Cとなっている。SSRは一番強いキャラでCが一番弱い。私は一応Nで父親はRだったような気がする。主人公の初期メンバーの最高レアリティのキャラはSRなのでSSRのキャラが一人いれば返り討ちにできるはずだった。
しかし残念ながらそう簡単な話ではなかった。レオはSSRではない。レベルが上限に上がるために費やしたマナ…経験値みたいなものだ、の量からして私以下のCだろう。残念。
この世界のはわざわざモンスター等と戦わなくても瓶積めでマナが売っている。それを吸収できなくなったらレベルが上限に達した証拠というわけだ。だから瓶の本数でだいたいレアリティが分かるのだ。
「…? 私に何か至らない点があったのでしょうか? 」
レオが不安そうに私を見ている。私がレオを見てため息をついていたからだろう。
いやいや、レオは何も悪くない。こんなイケメンが私を好きでいてくれているという事実だけで十分だ。それ以上いったい何を望もうというのかね?
レアリティが足りないなら上げればいいだけだ。やり方はまだよくわからないけど。
「もしやあのレアリティ昇級の書は私をSSRにするため? いえ、それならばあんなに集める必要はない。もしやSSRの私団をつくるために…」
あ、またなんかレオが誤解している。なんかブツブツとつぶやきだす。
「もうこの国にはレアリティ昇級の書はの持つ物は主様しか存在していないといって過言ではありません。今回手に入れたのも遠く離れた異国から持ち込まれたものでした。昇級の書がなければレアリティの昇級はできない。ということは即ち主様がレアリティ昇級の書をおさえている限り平民たちも貴族たちも今以上強くなることは出来ない。つまり彼らの反乱を抑えるためにレアリティ昇級の書を集めていると思っていましたが…違っていたのですね。考えてみればレアリティ昇級の書をあれだけ集めたのだから使わない手はありませんね。これは盲点でした。まさかそこまで考えて買い占めを行っていたとは。さすが主様と言わざるをえません」
その証拠にレオが私を見る目が見る見るうちに尊敬と敬意に満ち満ちていく。
「私はこの世界の王には主様こそが相応しいと思っています」
おっ、そうだな。
いやいやいや。君は私に何をさせる気なのかな?
なんだかレオの中では壮大な国盗り物語が出来上がってしまったみたいだ。妄想たくましくてうらやましいです。ていうかレアリティ昇級に1段階までとか2段階までとか制約があるゲームもあるのだけれどレオの認識だと制限ないっぽい? それならそれで楽でいいんだけど。
「…ま、いいか。とりあえず出かけようかな」
「私もお供いたします」
即座に反応するレオ。奴隷の鏡だね。
でも私が次の言葉を発した瞬間レオの表情は目に見えて曇った。
「奴隷市場に行くんだけどレオもくるの? 」
・・・
奴隷市場は普通の商店のように年中開いているわけではなかった。基本的には年に3度、後はごくまれに不定期に開かれることもある。3度は春と夏と秋。冬は開かれない。奴隷ははるか遠い遠方から運ばれてくる。車や飛行機があるわけではない。冬に大人数で移動するなど自殺行為だ。だから冬は開かれない。ごく稀に戦争があった時などに占領地の人々を奴隷として売りさばくために開催されることもあるが、どっちにしろこんな小さな領地にまでおこぼれが回ってくることは稀だった。
私が初めて奴隷市場に行きたいと言って止められたのは10年前になる。その時は大人になってからと言われたのだが、この世界の成人は15歳なので今はもう行っても大丈夫だろう。思った通り特に止められることもなく出かけることができた。
奴隷市場。広場に台がおかれているだけの質素な現場だった。人はそれなりに混雑している。奴隷市場と言っても美しい女が売っているわけではない。売っているのはむさくるしい男がほとんどだった。
農奴として商人が買っていくらしい。中には女もいるが中年や年寄りばかりだった。
「こんなところまで回ってくる奴隷は売れ残りですからね」
レオがそう説明してくれる。奴隷市場の知識まであるのらしい。私が奴隷市場に行くと聞いて夜なべして勉強してきたらしい。できる子で嬉しいよ私は。
レオが言うには一番人気は若い男で健康そうなやつほど高く、一番人気がないのが老婆だという。若い女は娼館に売られるのでこういう場所には回ってこないらしい。
奴隷市は1日目は人間。二日目は亜人。3日目は売れ残りのたたき売りがはじまるそうだ。
一番闇が深いのが3日目らしい。身体に欠損があったり死ぬ前の衰弱したやつだったり中々絵面の機微いしいことになる。もし私に便利なゲームの能力があればそれを治して得をするということもあったんだろうけど残念ながら私にはそういう能力はないので3日目はスルーするしかなかった。
そんな売れ残りの需要と言ったら剣の試し切りとか魔法の実験台とかこれまた闇の深いものらしい。売れ残ったら売れ残ったでこれから別の町に行く旅にたえられないのでしんでしまう。つまり3日目の奴隷市に出てくるような連中はどっちに転んでも先が長くない者たちだ。そんなものたちを眺めるなんて胸が痛む。可哀想で見ていられない。
「私は何にも認識していない。認識していないものは存在しない」
「何か言われましたか?」
「ううん別に」
私は1日目の見学を終えるとその場を後にした。私の目的は2日目の亜人だ。亜人は基本能力は人間より強いし、これからいろいろ非人道的な実験をしなくてはいけないのでモルモットとして亜人がいるのだ。
「亜人といってもこんなところまでエルフなんかはまわってきませんよ。ゴブリンがほとんどです。もしかしたらオークが数体だされるかもしれませんが」
「十分じゃない。ゴブリンを10体くらい買うつもり。できればオークも同じくらいはほしいわね」
「な、なにをするつもりなんですか?」
若干引き気味にレオは尋ねた。いいねそのちょっと引いてる表情ちょっとゾクゾクしちゃった。
「実験に使おうと思って」
「な、なんの実験ですか?」
警戒するように、いつになくしつこく聞いてくる。
「レオにも手伝ってもらうからおいおいわかるよ」
「手伝う?私が?ゴブリンとオークの実験に?」
なぜか青ざめるレオ。
「私何か気に障ることをしたのでしょうか? 」
「何もしてないよ。何言ってるの? 」
もしかして獣で姦な展開でも危惧しているのかな? 勿論そんなつもりはないから安心してほしい。私の趣味は王道だから。勇次郎もいくら相手が男でもレ〇ㇷ゚はだめだと思ってるしね。レイ〇は。
「ゴブリンやオークだけじゃなくてもほかにもいろんな種族がいたら実験するつもりよ。安心して」
「いろんな種族と実験!? 」
レオは半泣きになっている。安心させようと思ったが裏目に出たらしい。はは…言葉って難しいね。
・・・
次の日目的通りゴブリン、コポルトを10体ずつ。オークを1体購入した。
ゴブリンとコポルトはたくさんセリに出されていたのでとりあえず10体購入。オークは1体しかセリに出されてなかった。オークは辺境で売られるには貴重な存在であるらくセリの目玉だった。オークがセリの目玉とか夢がないね。
「一体何をするつもりなのですか? 」
「とりあえず一体選んでレベル上げかな」
そういうと私はマナの小瓶を取り出した。
「どいつにしようかな」
私はゴブリンの中から1体選ぼうとしたが、どいつもこいつも同じに見えて判断できなかった。
「レオはどのゴブリンが一番いいともう? 」
「え…」
レオが固まった。
「えっと、あの…一番いいも何もないのではないかと思うのですが? 」
まぁ私もそう思うけどね。
「適当でいいよ。一番気に入ったゴブリンを教えてほしい」
「気に入ったゴブリン…」
レオは目に見えて落ち込むと焦点の定まらぬうつろな瞳でゴブリンを見る。
「ではこいつで」
そういえばレオは妙な誤解をしているんだったけ。聖女様的な私がそんなことするはずないのにねぇ。
私は一番近くのゴブリンにコモン昇級の書を持たせてみる。これで昇級すれば話は早いのだがそうはいかない。レアリティ昇級のために条件が必要なのが普通だ。レベルを上限まであげないといけなかったり他に素材が必要だったり同じキャラを重ねないといけなかったり。レベルを上限にするだけなら簡単なのだが他に素材が必要だったり重ねないといけなかったりすると話が面倒くさくなる。他の素材なんて分からないし。キャラを重ねるって何? どうするの? 殺し合い? 共食いでもさせる?
勿論共食いなんてグロいことしたくないがトライアンドエラーを繰り返し正解にたどり着かなくてはならない。
「できればレベル上げるだけにしてほしいなぁ」
私はゴブリンにマナを飲ませる。マナの小瓶は30本まで吸収したが30本目は吸収できずに残った。
「レベルが1から20に上がるのにはマナの小瓶が30本必要ということはレアリティはCね。流石ゴブリン最低ランク」
次にコモン昇級の書をゴブリンに与えてみる。そして再びマナを与える。レアリティ昇級が上手くいっていれば昇級してレベルが1に戻っているはずだからマナの小瓶は再び吸収できるようになるはずだった。
「お、おお? 」
どうやら共食いはさせなくてよかったらしい。ゴブリンはマナを吸収した。レアリティ昇級は成功したようだった。
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