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母は部分的な摘出を選択した。
片側の乳房が半分減り、手術痕も残ると聞いた。
女性としては致命的だった。
それでも、母は生きることを選択した。
母も苦渋の決断だったのだろう。
母は言った。
「私は一度は結婚もした。あなたも授かった。
女としてでなく、1人の親として。そして1人の人間として。
私が何よりも望んだのは…もっと、生きていたい。
私らしく生きて、自分のやりたいこともやって
出来る限り、あなたの未来を見届けたいって思ったの。
だから私は、そんな明日の私に逢いに行くわ。」
あの時の母の笑顔を
私はこれからもきっと忘れることはないだろう。
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