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ぱらぱらぱらぱら
母は昔から、夜に降る雨が好きだった。
まだ私が幼い頃、寝る前の枕元で母は私に話してくれた。
「雨はね、今日あった嫌なことや辛いことを、全部綺麗に洗い流してくれるの。どんな時でも、平等に皆を包み込んでくれる。
"明日はきっといいことがある。"
雨を聴きながら眠りにつくとね、自然とそう思えるのよ。…どうしてなのかはまだわからないけどね。」
そう言ってはにかんだ母の顔は、常夜灯越しにわかるほど、優しい顔をしていた。
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