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「僕」にはかつて物語の中の恋人たちのように付き合っている女性こと「彼女」が居た。
お互い大して高価なものを送る余裕も、どこか一室を借りてのデートも出来ない貧乏学生だったが、とても充実している時間を一緒に過ごしてきた。
だけど、卒業後の人生設計もそうだが、結婚も視野にいれたら常に金の問題が付きまとう。
「僕」と「彼女」の両親は結婚どころか交際すらも猛反対し続け、仕送りも一切打ち切られる事になった。
そのせいで卒業後は「お互い」が設計した各々の道を進み、叶えるために別れなくてはならず、「僕」はままならない事情で「彼女」を失う事に深い失望を抱くことになった。
「彼女」は寂しそうに、だが、それを受け入れた笑顔を無理矢理作り、ヒロインの言葉を借りて別れと励ましの言葉を「僕」に告げたのだ。
『雨が晴れたら、きっとキミもワタシも乗り越えていると思うよ』
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