レイ

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結局、嘘も方便で山村先輩の家で夕食を摂ってくると母さんに伝えると、アッサリOKをもらえました。 『航もお友達が出来て嬉しいわ』 母さんが電話口で言っていた言葉です。 そうです…僕は中学まで友人が1人も出来ませんでした。 人付き合いが苦手で…でも、不思議と千夜くんと山村先輩とは自然体で付き合えます。 「レイさんは親御さんに連絡しなくて大丈夫ですか?」 「はい、大丈夫です」 レイさんは僕の隣の座席に座りながら、ニッコリ笑顔になりました。 僕はその笑顔にドキドキしました。 母さん以外の女性と話すのは生まれて初めてです。 と、車はS区立中央図書館の前まで来て停まりました。 「着いたわよ。格好良いメガネくんに可愛いお嬢さん」 「じゃあな、鈴木。レイと上手くやれよ」 「千夜さん、お姉さん、ありがとうございます」 どうやら、千夜くんと恭子さんは此処までのようです。 会ったばかりの女の子と一体どうやって上手くやれば良いのでしょう。 勉強の方が余程、簡単です。 僕とレイさん、2人で車から降りると、車内から千夜くんがウインクして去って行きました。 「私、図書館に入るの初めてです」 「レイさん。館内では私語は厳禁です」 「はい。私、鈴木さんの隣で静かにしてます」
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