チャーム

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チャーム

どうやら、チャームに気付いたようです。 「珍しいね!鈴木くんが、可愛い物つけてるなんて」 「はい、ある方から頂いた誕生日プレゼントなんです」 「そう言えば来月は鈴木くんの誕生日だもんね!…って、あれ?」 山村先輩は、まじまじとチャームを凝視してきます。 僕は隠すのもおかしいと思っていました。 でも、山村先輩の次の言葉を聞くのが怖いです。 案の定、山村先輩は、チャームを手に持ちながら言いました。 「このチャームの子犬、体育館裏の子犬に似てない?ほら、鈴木くんに1番懐いている子!」 そう言えば子犬が居なくなったのは昨日だから、山村先輩は事情を知らないわけです。 「偶然って、あるものですね」 僕が無理矢理、笑顔を作ってそう言うと、山村先輩はチャームから手を離しました。 「そうだねー。僕、ビックリしちゃったよ」 山村先輩が素直な方で良かったです。 いずれ、子犬が居なくなったことに気付くでしょう。 でも、山村先輩を心配させないように里親が見つかったと言うつもりです。 千夜くんにも、後ほど口裏を合わせた方が良いでしょう。 僕が、そんな事を考えているとは夢にも思っていなさそうな山村先輩は、僕の後方に目をやり笑顔で大きく手を振ります。
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