【覚醒】

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【覚醒】

【覚醒】 「まさし、大丈夫か?」 「ああ…大丈夫だ…」 左腕から鮮血が… 俺は鮮血を右手で抑え… 口で袖をちぎり鮮血をとめた。 「モトヤ…俺は「ポワ」にジャックナイフで左腕を刺された瞬間…」 「ある事が脳裏に…」 「それが森林に囲まれた池のような風景だった…」 「モトヤ、それがひょつとすると『沼留』じゃあ無いかと?」 「しかし、俺もお前も駅名が『沼留』であってその由来とか…?」 「ここ『沼留』で何かあったのか?」 「ああ、まさし、その通りかも知れない?」 「ただ…俺達はこの地の由来を知らない事だけでこんな不合理なゲームに参加させられ…」 「命の奪い合いをしなければならないのか?」 「それも俺が描いたキャラクターが刺客となって?」 モトヤはやり切れないこの状況に愚痴を… 「…」 俺は返す言葉が無かった。 「あと、モトヤ…」 「俺は「ポワ」との戦いで恐怖を植え付けられた…」 「俺はそれを避ける事しか考え無かった…」 「恐怖を克服する事を避けようとしていた…」 「俺は幼少期から恐れ…恐怖を知らなかった…」 「空手の試合でもケンカに於いても…」 「俺は圧勝していて屈辱的な恐怖など体験した事が無かった…」 「だが…」 「俺は「ポワ」と戦って左腕を刺された…」 「その事により、現実に起きた恐怖を身を持って知った…」 「俺は恐怖を克服し…」 「覚醒した…」 「俺は全ての刺客を倒しこの異世界から抜け出す…」 「モトヤ、進もう『沼留』へ…」 「まさし、その前に…」 「金貨を…」 口の回りを鮮血に染めた「ポワ」を見た… 「ポワ」は俺と戦いに敗れ舌を噛み切り自害したのだ… 「モトヤ、金貨があったぞ…」 俺は「ポワ」のズボンのポケットから金貨を見つけた… 「モトヤ、渡すぞ…」 するとその金貨を見たモトヤは… 「まさし、この金貨…」 モトヤが何か有り気に俺に話しかけて来た。
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