【ゲームスタート】

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【ゲームスタート】

【ゲームスタート】 俺は見えない里山先輩に頭を下げ改札の自動改札機に定期を乗せると… 「ピッ…」 残高が表示させる画面に何やら人のような生物が現れた… すると里山先輩から… 「モニターを見ろ!」 「お前を殺そうとする刺客か?…」 「これから俺はお前に電話で指示する事が出来ない…」 「それは刺客が携帯の画面に察知されるからだ…」 「俺の指示・アドバイスはチャットのように右上に言葉が現れるそれを参考にしてくれ…」 「武器は…」 里山先輩からのメッセージが途絶えた… その時… 背後から… 「ウォ〜」 俺は現れた物体に立ち向かった… すると… 「チョ…チョと待ってくれ…」 俺の父親が空手の師範だった事から… 幼少期から大学まで空手を学んでいた。 俺は素手でもなんとか闘う覚悟は出来ていたのだ… 俺の背後に現れた物体は人間でありそれも身長140メンチぐらいの小さな男であった。 俺の気迫に驚いたのかタジタジで… 「お前は何故ここに?」 俺がその小さな男に声を掛けた。 「え、聞きたいのはこっちの方だ…」 「何故、お前が?」 すると携帯から里山先輩のメッセージが… 「まさし、携帯画面をそいつに翳せ…」 するとその小さな男も俺に携帯画面を翳していた… 俺の携帯画面に小さな男のデータが現れた… 種族 : 人間 戦闘力 : 弱 危険度 : 弱 智力 : 強 サイコ度 : ? 名前 : 小池 モトヤ 住所 : 品川→沼留 サポーター : 加納 アヤ であり… 小さな男の携帯画面に現れた俺のデータは… 種族 : 人間 戦闘力 : 強 危険度 : 中… 智力 : 中 サイコ度 : ? 名前 : 友利 まさし 住所 : 渋谷→沼留 サポーター : 里山 リョウ 俺はその小さな男モトヤに声を掛けた… 「お前ひょっとして元の街…自宅探しをしているのか?」 「え、…」 小さな男モトヤが素っ頓狂な声を上げた。 「お前もか?」 元の街…自宅を探すためこのゲームに参加したのは… 俺だけではなかったのだ… しかし… やつは、俺の味方なのか… それとも? どう見ても敵では無いと思うが… 「小池 モトヤ」は童顔ではあるが歳は32で職業はアニメクリエイターをしていた… トモヤのサポーターは「加納 アヤ」で同僚であり恋人でもあった。 モトヤがこの街に入り込み… 生き残りゲームに参加させられるようになったのは… 俺とは違っていた。 俺は終電を降り何らかの要因により… 俺の住んでいた街が異世界?となっていたが… モトヤの場合はアニメクリエイターで会社員では無く… アニメーション会社から依頼があれば請け負っていた。 彼はアニメクリエイターとして才能があり多くの仕事を請け負っていた。 彼の職場は自宅であり共同作業はほぼ無しで… アニメーション会社との打ち合わせはリモートであり他人と接点を持たない生活を送っていた。 モトヤはあるアニメキャラクターを創ることに没頭していた… そのキャラクターは極悪非道で… 何者も恐れない人間?生物のイメージを掴む事が出来ず… もがき苦しんでいた。 「極悪非道な人間?生物の強烈なインパクトがどうしても描けない…」 モトヤはそんな独り言を呟きながら… 「2日ちゃんと食べて無かったなぁ?」 気晴らしと食料調達のために住むアパートを出てコンビニに行くことにした… 時計を見ると深夜11時55分… この時モトヤはコンビニに行くだけなのだが… 何故か腕時計、携帯電話を常備して外に出たのであった。 モトヤが住むアパートは築20年の木造の建物で周辺も古い建物が並んでいた… そして、コンビニへは徒歩5分程度の国道沿いに存在していたが… アパートを出ると小さな路地があり… そこを右に曲がり5メートルほど歩くとコンビニがある国道に出るのだが…? 「あれ?」 「国道がない?」 そこは俺が見た情景と同じ… 土地いっぱいにひしめき合うように住宅が並んでいた。 「ハァ…」 モトヤが溜息をついた… そこには裸電球の街灯が闇夜を照らしていた… モトヤが腕時計を見ると0時05分であった。
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