【刺客キャラクター】

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【刺客キャラクター】

【刺客キャラクター】 俺とモトヤは刺客「ボッソ」から逃げ切る事が出来… 住宅街の外れにある公園にたどり着いた。 「ハァ…ハァ…」 「モトヤ、この刺客「ボッソ」の…」 「何か知ってるのか?」 俺がモトヤに問いかけると… 「…」 モトヤは黙り込み空を見上げた… 「あのなぁ…?」 「その刺客「ボッソ」は俺が創り上げたものだ…」 「え、嘘だろ?」 「正確に言うと俺の脳裏に描かれた物体だ…」 「何故、その物体が俺達を殺そうとする刺客になるんだ?」 「…」 「それは、俺にも分からない?」 どうして、その刺客キャラクターがトモヤの脳裏に現れるのか? するとモトヤが… 「俺の考えるアニメキャラクターは自分で言うのも変だけど….」 「関係者からの話では…」 「俺は独創的で普通では考え付かないキャラクターを描けるのだと?」 「それがこのような事になったのかなぁ?」 モトヤは半信半疑に現実化した刺客「ボッソ」の要因を語った。 すると… 「ブッー、ブッー」の音と共もにバイブ振動が… 携帯の画面を見ると里山先輩からのメッセージが… 「まさし、刺客が近づいているぞ…」 「画面を映像に切り替えろ!」 その瞬間… 背後に刺客が… 振り返るとその刺客が俺を襲い… 腕を上から下へ振り下ろした… 「痛っ…」 顔に痛みを感じた瞬間… 俺は深く屈み… 刺客と思われる脚を払い除けた… 「ドサッ…」 刺客が尻餅をついた。 するとモトヤが… 「まさし、大丈夫か?」 「顔の傷はあさい…」 「ほら、武器だ…」 モトヤに渡された武器はヌンチャクであった… 「え、ヌンチャク?」 俺は拍子抜けした声を上げた。 「まさし、「ボッソ」の弱点は頭だ…」 「頭部を狙え…」 やはり刺客はトモヤが描いたキャラクター「ボッソ」であった。 俺はヌンチャクを武器に爬虫類系人間である「ボッソ」と戦う事となった… 「ボッソ」の頭部は人間と同じようで… 目は顔の側面にあり、鼻は穴が二つ空いていて、口はトカゲのように切り裂かれ常に細い舌を出し… 眼球は忙しなく動き俺の動きを細かく確認している様だ… 胴体・脚は緑と焦茶のまだら模様であった。 しかし、何故か俺はこの「ボッソ」に恐れは無かった… それは二足歩行で歩いているのだが… 腕を腰に当てスキップするようにこちらに向かってくる姿がお茶目だったからだ… しかし… 「まさし…危ない!」 大きな声でトモヤが叫んだ! 突然「ボッソ」動きが変わり俺に急接近すると… 釜のような腕を振り下ろしたのだ… 俺は咄嗟に身をかわし後退りをして逃れる事が出来た… 「フ…あぶねー」 「ボッソ」の武器は両腕に備え付けられた釜のような刃物である事がわかった。 「まさし、「ボッソ」の胴体は硬い…」 「胴体の攻撃は無意味だ…」 「さっきも言ったが…」 「頭部を狙え!」 「モトヤ、簡単に言うなよ…」 「俺、空手はやってたけど…」 「ヌンチャクは…?」 「大丈夫だ、まさしお前は空手の達人…」 「身体が上手く反応する…」 「とにかく、頭部を狙え…」 「まさし、来たぞ…」 再び「ボッソ」が凶器である腕を振りかざした。 「まさし、「ボッソ」の脚を払い除けて倒せ!」 俺はヌンチャクを左手に持ち返し「ボッソ」の腕を防御し… スライディングするように「ボッソ」の脚を払い除け転倒させた! 「今だ!まさし、頭部に一撃を…」 俺はヌンチャクを素早く右手持ち替え… 右フックのカウンターを「ボッソ」の頭部に食らわせた… 「まさし、留めをさせ連打だ…」 モトヤの言う通りヌンチャクを右左に往復させ連打したのであった… 「アチャ…チャチャチャ…」 俺はブルース・リーを真似て声をあげた。 すると「ボッソ」の動きは止まっり痙攣をおこしピクついていた… 「まさし、留めを刺せ…」 「どうやって?」 「…「ボッソ」の鋭利な腕を脳天に突き刺せ!」 「わたったよ…」 俺は「ボッソ」の腕…鋭利な釜のような手を… 「ボッソ」の脳天に突き刺した。 すると「ボッソ」の脳天からおびただしい黄緑色の液体が噴き出し命をたったのであった。 そして、「ボッソ」の胸部には小さな袋状の肉片があり… そこに500円ぐらいの大きさの金貨が隠されていた。 「モトヤ…金貨だ…」 俺はモトヤに金貨を投げ渡した。 「まさし、この金貨まだ元の街に戻すヒントは…?」 「モトヤ、お前とこの街そして刺客キャラクター…」 「疑問だらけだ?」 「まず、どうやって武器ヌンチャクを…?」 「それと刺客である「ボッソ」の急所を何故分かったのかだ…?」 するとモトヤは… 「俺も多分そうだろうと思う事を話すよ…」 「まず刺客の「ボッソ」は俺が頭の中で描いたアニメキャラクターで…」 「携帯に写し出されたデータ通りであり細く言えば…」 「俺の設定ではこの街?「沼留」に住んでいる…」 「そして、ある時、ペットとして飼っていた爬虫類が人間のエゴにより…」 「食糧になり惨殺された…」 「その事がきっかけでペットとなった爬虫類が怒りを覚え飼い主を襲い…」 「その爬虫類の遺伝子が飼い主に転移し…」 「異常な生物が生まれた…」 「それが…」 「爬虫類系人間「ボッソ」なのだ!」 「そんな設定で俺はこの刺客キャラクター「ボッソ」を創り出したのだ….」 「しかし、あくまでも頭の中…脳裏に描かれただけなんだ…」 「あ、モトヤ武器のヌンチャクは何処にあったんだ?」 「それも俺が描いたアニメの中で刺客を倒すアイテムの武器があって…」 「まさしの戦っている姿を見て…」 「脳裏に浮かんだのが何故かヌンチャクだった…」 「でも何故それが現実に現れたんだ?」 「…」 「そうだよなぁ?」 するとサポーターの「加納 アヤ」からメッセージが… 「モトヤさん、あなたのPC内のデータは私も共有しているので…」 「まさしさんへの武器供給は私がしました…」 「正確ではありませんが…」 「モトヤさんのイメージはPC内のデータにありそこから…」 「爬虫類系生物に適した武器を用意して…」 「モトヤさんの携帯の端末にお送りしたのです…」 「え、どうやってだ?」 俺はサポーターの「加納 アヤ」に聞いてみた… 「まさしさん…モトヤさん携帯の端末にデータだけですけど…」 「そのデータを具現化する事がトモヤさんには出来るのです…」 「え、データをどうやって武器にするんだ?」 すると話しを聴いていたモトヤが… 「ああ…そうか!」 「俺のイメージを詰まったPCから携帯の端末に転送して…」 「その映像から公園に隠された武器…ヌンチャクを見つける事が出来たんだ…」 「この公園はこの異世界の場所ではあるが…」 「元の街とも繋がりがあったんだ…」 俺はモトヤが話している意味が良く分からなかった? 「モトヤさん今後、あなたのイメージで戦う武器を送り込む事は可能です…」 「但し、まさしさんに合ったものを…」 「その為には、モトヤさん…まさしさんとしっかりコミュニケーションを取ってください…」 「そうして、こらから現れる刺客キャラクターの対応を…」 するとモトヤが… 「ヤバなぁ?」 「また想像してしまった…」 「何を?」 「強烈な刺客キャラクターを…」 「おい待てよ、モトヤ…」 すると… 『おい、お前達良く「ボッソ」を倒したなぁ?』 その声は俺達をこの街…異世界に招いた主催者であった。
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