4.理想の女性

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4.理想の女性

 鏡の中に映るウェディングドレス姿の私はまるでおとぎ話に出てくるお姫様のようだ。我ながらほれぼれする。そっと胸に手を当ててみた。力強い心臓の鼓動。医者からは子供を産んでも大丈夫だとお墨付きをもらった。これからも薬を服用する必要はあるがまぁそれは仕方がない。そう、私は遂に理想の女性になったのだ。鏡を見つめ小首を傾げ「ふふ」と笑う。そして心の中でそっと呟いた。 ――ありがとう、お姉ちゃん。 了
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