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1.憧憬
私には今年二十六歳になる三つ年上の姉がいる。透き通るように白い肌、きゃしゃな手足。そしてまるで人形のように整った顔立ち。姉は私にとって理想の女性。でもただひとつ、姉に欠けているものがある。それは健康。姉は生まれつき心臓が弱く体育の授業はいつも見学。友達と一緒に駆けまわることもできなかった。可哀そうな姉。最近になって心臓移植を勧められているがドナー登録をしてもなかなか順番は回ってこない。
翻って自分はいえば姉とは真逆の存在。同じ両親から生まれたとは思えない醜い容姿。唯一の取り柄は健康なことぐらい。私はいつも思う。姉のようになりたい、ううん、姉になりたい、と。素敵な恋人との結婚も決まっている姉。お祝いに何をあげようか。小首を傾げて考える。ふふ、やっぱりあれがいい。待っててね、大好きなお姉ちゃん。
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