百三十七話

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百三十七話

「焼肉じゃ――!」  モサモサ君とローザン君の差し入れ、今日はいろんな魔物のお肉でバーベキューをしていた。いつもはムラサキ、見つけたワサンビンをつけて食べていたが。  今日はムラサキ、サケ、サトウ、ニンニククとショウガロンのすりおろしで作った焼肉のタレがある。ここにリリンゴのすりおろしを入れてもいい! 「こんがりに焼けた、ごちゃ混ぜお肉をこのタレにつけて。コメにバウンドさせて食べれば、なお美味い!!」 「このタレは味が濃くて、肉にあってメシが進む」 「このタレ、ニンニクが効いていて美味しいです」  このタレのおかげで……みんなの食欲は爆上がりして、炊いたコメがすぐになくなるし。お酒も入るから枕投げ会場は毎晩、男性に大人気だ。 「毎日が楽しいね!」 「うむ、楽しいなぁ」 「はい、楽しいです」  私の調理レベルも10に上がり、料理での回復が(中)になった。リリスちゃんもたまに旦那様とご飯を食べに来てくれる。 『このガレット、マジやばい』  彼女はジャロ芋のガレットがお気に入り。    キキさん、モサモサ君、ローザン君が領地に住み始めて、はや3週間が経った。はじめは様々な魔族に驚いていたモサモサ君も慣れてきたらしく、楽しそうに領地で過ごしている。  2人はたまに冒険に出ているようだし。私もそろそろ冒険に出たいかも。新しい領地周りの薬草、植物も増えて、可愛いレシピ長、調合の種類も増えた。 「サタ様、アール君、私、ポーションを使ってみたい!」 「ん? ポーションだと?」 「ポーション?」  あれれ、乗り気じゃない? 2人の反応が変だぞ。 「来たくなかったらいいよ。1人で調べて作ってみるから」 「待て。ポーションがなくとも、エルバの畑で採れた食物で作ったメシで回復する」 「そうです! あんなマズイ飲み物いりません!」 「ポーションってマズイの?」 「ああ、マズイ。興味本位で飲んで逆に気絶した」 「ボクは吐き出してしまいました」  ヒェ――。2人の話を聞くとどうやらポーションは回復するが……物凄くマズイものらしい。良薬口に苦しとでも言うのかな? (私はファンタジーの世界にいるのだから、不味くてもいいから、一度はポーションを飲んでみたい)  2人を説得して今、家の書庫でポーションの作り方を調べている。さっき、仕事に出る前のママとパパにも聞いたけど……2人とも笑ってた。 (ポーションって、壮絶にマズイんだ……)    これは、ますます気になる。  ポーションの作り方はサタ様とアール君は知らないらしい。私も草、調合の博士に聞けば一発でわかるかもしれないけど、先ずは自分で調べたいよね。  ウキウキ、書庫で集めた書物をひらいた。
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