百三十八話

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百三十八話

 ポーション! ポーションの作り方は? 家の書庫で見つけた調合の本を開いた。そこに載っていたポーション作り方は。えーっと材料はククミン、タタメリック、コリアンダダを鍋に入れて魔法水で煮込めばポーションの完成。と書いてあった。  え? 博士、これ本当なの? 《はい、ほんとうです》    そうなんだ……博士、ありがとう。  このククミン、タタメリック、コリアンダダで、スパイスパウダーが作れるんじゃない? それが出来たら。鶏肉、玉ねぎ、トマト、生姜とニンニク……油と塩、牛乳、水を加えて煮込めばカレーがで出来る? (はっ! カレーを食べるだけで体力回復が出来る!)  それって、いいんじゃない! 前世のカレーの味を思い出してゴクっと喉がなった。その姿を見た、サタ様とアール君の瞳は冷ややかだ。  ポーション……そんなに美味しくないんだ。  フフフ、だったら、カレーを作って食べさせて驚かしちゃおう。私も頭の中がカレーでいっぱいだし。  だったら善は急げ! 「サタ様、アール君! ポーションの材料ククミン、タタメリック、コリアンダダを採りに行こう!」  珍しく、嫌な顔をしながら。 「……うむ。採りに行くのはいいが、ワタシは絶対に飲まない」   「ボクもポーションは飲みません」 「ええ! 私が作るポーションを2人とも、絶対に気にいると思うけどなぁ〜」 「それは、まず無い!」 「絶対にありません!」  嫌がる2人を横目に、私はウッキウキと採取場所を調べた。  調べると、ククミン、タタメリック、コリアンダダは全部。人間の国にあるようだ。場所は。まだ行ったことがない、北の果てのカルルの原っぱにククミン。東のコース湖近くにタタメリックと、コリアンダダが採取できるみたい。 「サタ様、アール君。採取をするために人間の国に行くけど、ギルド寄る?」 「ギルドか……あやつら、ワタシ達を疑ってくる。エルバは簡単にポーションを作ると言っているが。ポーションは人間にとって高級な回復薬なんだ」  へぇ〜高級な回復薬かぁ。サタ様達とギルドでクエストを受けて、採取と狩りをするのは楽しいけど……前のように探られるのは嫌かも。 「今回はギルドには寄らず、ポーションの材料を採ったらすぐ帰ろう!」 「わかった」 「わかりました」  このあと、みんなにもポーションの材料集めに人間の国へ行くと聞いたけど……みんなは"行きたくない"と返事が返ってきた。 (領地にいるのが面白いのかな? みんな好きなことをして楽しんでいるものね)  お父さんとお母さんに「ポーションの材料を集めに行ってくる」と伝えるも、なぜ? それを採りに行くのと不思議そうだった。キキさんにいたっては「すみません、匂いがダメです」と香辛料の香りが苦手だと言われ。  モサモサ君とローザン君は2人で冒険に出ていて、明日まで帰ってこないらしい。 「じゃ、3人でポーションの材料を採りに行こう!」 「うむ」 「はい」  いつもよりテンションの低い。モコ鳥のサタ様と黒猫のアール君。そんな2人を連れて翌日の早朝。みんなに「いってらっしゃい」と、見送られて領地を出たのだった。
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