百三十九話

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百三十九話

 サタ様とアール君と話して、王都から東のコース湖のタタメリックと、コリアンダダの採取から回ることにした。が2人は現地に着いたら、狩に出ようと話をしている。 「サタ様、アール君、コース湖までついてきてください! 私の使い魔なんでしょう? 私がもしケガをしたら……サタ様とアール君にも何か起こるんじゃない?」 「うむ。そうであったな」 「すっかり、忘れていました」  私だってあまり言いたくないけど、1人で行くのは少し怖いから護衛して欲しい。 「わかった、サッと採取をして狩りに行こう!」 「サッと、採取を終わらせましょう」 「…………」 (ほんとうに、苦手なんだね)  2人の苦手な味のポーションかぁ。香辛料だしグツグツ煮込んだら、スパイシーな美味しい味がすると思うんだけど。異世界にはカレーもないから慣れない味なのかなぁ〜  私達はホウキにのってコース湖がある、アイリーン森に降り立った。  ついて早々に驚いた。湖の付近には立ち入り禁止の錆びた看板と柵が設置されて。その柵の中には色とりどりの毒草らしき草が生い茂っている。  な、なんだこれは⁉︎  全て毒草だったら、数がヤバァイ〜! 「お邪魔しま〜す」 「うむ」 「失礼します」  毒が効きにくい私達は、錆びた看板を超えて中に入る。毒耐性スキル付きだから、どんな味か試したいのよね。いま頭の上と肩にいる2人はポーッとしていてやる気のなさそうだから、私が毒草を調べていても気付かないだろう。  ウシシ、今がチャンス!  博士! よろしくお願いします。 《はい》  博士これと、これと、これは? 《ドロドロ草、ニガイ草、スッパ草これらは痺れを起こす毒草です》  おお、全部痺れ草かぁ。少し葉っぱをかじってピリピリしながら、タネを貰ってエルバの畑に植えた。  こっちは? 《スル草、モドク草、イチコロ草は麻痺を引き起こします》  麻痺は動けなくなるから、まずいかな?    次だ、次の毒草だ! と行こうとした私の頭を、サタ様が嘴(くちばし)で突っついた。 「う、ぎゃっ!」 「エルバ……ワタシ達の目を盗んで、毒草ばかり調べて何をしている?」 「ふぇ? そ、そんなころ、しないろ」 「はい! 呂律もまわっておりませんし、腕に緑の斑点が出ております」  アール君に言われて確認すると、緑斑点が腕に出ていた。 「キモっ! ……まあ、しばらくちたら治るにょ。毒耐性ついてるちぃ」 「うむ。そうだな……目を離したワタシが悪い」 「僕もですね」  2人がウンウン頷いて。監視の目がキツくなって、毒草調べができなくなった。残念だけど……これ以上やるとママに報告されて怒られる、仕方がないここはあきらめよう。 「よ、よし〜目的のタタメリック、コリアンダダをさがしょう」  みんなでポーションの元になる薬草を探していた。見てもわかる通り、湖のまわりは毒草ばかりが生い茂り見つからず。必要なタタメリックとコリアンダダを探し、私達はコース湖の近くまできていた。  あたりに毒草が多いせいなのか、湖の色は紫色に変色している。 「うわぁ、毒沼……」 「湖な。これは毒に汚染されているな」 「湖全体を浄化しないと、いけないかもしれませんね」 「浄化かぁ〜」 「うむ……」 「……頼みたくないですね」  みんなの頭にアマリアさんの顔が浮かび、コース湖を覗き込んだ私たちの前に。 「「おい! ボクの湖で何をしてるんだい?」」  湖の中から、ヌウっと暗い物体が顔を出した。
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