百四十五話

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百四十五話

 空を見上げ、ヌルスケ君の瞳からポロポロと涙が流れる、彼はそれほど魔女さんが好きだったんだ。 「ヌルスケ、魔女はいなくなった……これからどうする? ワタシと一緒に仲間のいる領地へ来るか?」  サタ様が「領地へ来ないか」と誘ったが、ヌルスケ君は首をフルフルと振った。 「サタ様が誘ってくれて嬉しいよ。でもね、ボク、ここが好きだから残るヌル」 「そうか。1人が寂しくなったら、ワタシを呼ぶといい」 「僕も呼んでください」 「私も呼んで! たまに、ヌルスケ君に会いに来るよ」 「うれしいぃ、ありがとう。ここで待ってるヌル」  毒湖――コース湖に住むヌルスケ君とまた会う約束をして、私達は北の果てのカルルの原っぱへ、ポーションの材料ククミンを採りにホウキで向かった。    ヌルスケ君がいたコース湖を出て、お昼過ぎに北の大地、カルルの原っぱへ着いた。ここ北の大地は広い青空と豊かな緑――前世パンフレットで見た、北海道に似た広い大地だった。  ――うわぁ、キレイ! いつか、こんな場所でキャンプしたいと思っていたんだよね!  ウキウキとはじめて訪れた、広い大地を眺めた。  となりのサタ様も広い大地に。 「なかなか良い所だな、昼寝したくなる」 「昼寝ね、いいですね」 「サタ様、アール君、昼寝もいいけど。――お昼、何に食べる?」   「「お好み焼き!」」  2人の意見が一致する。 「わかった! いまから材料を準備して、お好み焼きを焼くね」  お昼にお好み焼きを食べてから、今日はテントでまったりしようと話した。
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