百四十六話

1/1
前へ
/163ページ
次へ

百四十六話

 昼食後、私はアイテムボックスの中から、テントを取り出した。そしてテントに手をかざして、本日のお風呂は木造造りの、大浴場を想像して、いつものように3人が寝れるベッドも想像した。 「よし。出来たよ、入ろう!」  いま私たちが来ているカルルの原っぱで、ククミンを見つければカレーが食べれると。私は楽しみでワクワクしている。  サタ様とアール君だってポーションは苦手だろうけど、その材料でカレーを作れば喜ぶんじゃないかな。テントに入ったすぐお風呂にいっていた2人のために、私はレンモンとシュワシュワの実を畑で収穫して、レンモンのシュワシュワを水筒に作る。  すでに私の口はカレーの口になっているし、はやくカレーを作って食べたい。作り方は調理の博士に聞けば、作り方を教えてくれるよね。 「明日はククミンを見つけるぞ!」  ベッドの横にレンモンのシュワシュワが入った水筒を置き。私はフカフカなベッドにダイブして、ふわふわな枕を抱きしめて転がった。  しばらくして、ペタペタとこちらに近付く足音と。2人の会話が聞こえてきた。   「アール、大きな湯船はいいな。今日の風呂もよかった」 「はい。本日のお風呂も気持ちよかったです」  と。ベッドの近くに現れたのはいつも通りベタベタで、まったく気にしていない、2人に準備していたバスタオルを渡した。 「ありがとう、エルバ」 「ありがとうございます」 「どういたしまして。サタ様、アール君、風魔法を使うか、タオルで乾かしてベッドに乗ってよ。――それとレンモンのシュワシュワを作ったから、好きに飲んで」  水筒を2人に渡して、私はバスタオルとお風呂セットを持って、お風呂に向かった。    ゆっくり湯船つかり、温まってお風呂から戻ると。レンモンのシュワシュワだけでは物足りなかったのか。2人は私のマジックバックの中を漁り、あたりに散らかしていた。 「エルバ、前に買ったパンが残っていたから、もらったぞ」   「いただいております」 「……え?」  マジックバッグ、アイテムボックスの中に入れたものは、半永久腐らなくて便利だが。夕飯にみんなで食べようと思っていた、パンを食べてしまった2人。 「もう仕方ないなぁ。夕飯はうどんを打って……残ってるお肉とピコキノコで出汁をとった肉うどんか。野菜たっぷりの焼きうどんかな?」 「エルバ! ワタシは野菜たっぷりの焼きうどんが食べたい!」   「ボクも、焼きうどんが食べたいです」  わかった、みんなでうどんを作ろう、と。マジックバッグからボール3つ、小麦粉と塩を取り出した。
/163ページ

最初のコメントを投稿しよう!

469人が本棚に入れています
本棚に追加