百四十七話

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百四十七話

「焼きうどん、作るわよ!」 「おう!」 「はい!」  サタ様とアール君と一緒に小麦粉と水、塩をボールにいれて、うどんを打つ。うどんの生地ができたら、10分ほど休ませて、伸ばして切る。  大きな鍋に魔法で出した水を沸かし、切ったうどんを茹でて、水と氷でしめ。油をは引いたフライパンで野菜とお肉でいため、ダシ代わりのピコキノコと塩コショウ、ムラサキをかければ焼きうどんの出来上がり。 「サタ様、アール君、焼きうどん出来たよ!」 「いいにおいだな」 「エルバ様、ありがとうございます」  嫌々ポーションの素材集めについてきた2人は、焼きうどんをベロっと一人前食べて上機嫌。だけど、まだ足りないらしく、フライパンに残っていた焼きうどんを仲良く食べている。 (……焼きうどんを多めに作って正解だね。でも、この焼きうどん、野菜とピコキノコの旨み、ムラサキで最高の味付けだった!)  サタ様とアール君も気に入ったらしく。 「エルバ美味い! また焼きうどんを作ってくれ」 「はい。ボクも、また食べたいです」 「いいよ! また作るね」  野菜とピコキノコの焼きうどんに満足して、使った調理器具、お皿を片付け箱にしまい。明日に備えて、早めに就寝した。  のだが。翌朝「焼きうどんが食べたい」の言葉で目覚める。よほど気に入ったのらしく、朝食も焼きうどとなった。……それも野菜、ピコキノコ、お肉、うどんの大盛りで。  早朝から、うどんを打ち。野菜をエルバの畑から収穫して。ピコキノコ、お肉を炒めてドーンとフライパンのまま、2人の前に置いた。 「うまい!」 「美味しいです」  これは当分続くかもと思ったけど、2人の笑顔が見れたから、まっいいっか。 「いただきます! サタ様、アール君食べすぎ!」 「うまいものは早い者勝ちだ!」 「そうです!」  うわぁ〜2人とも、食いしん坊に拍車をかけたなぁ。でも負けないと、私も箸を伸ばして焼きうどんを頬張った。 「焼きうどん、おいしい!」  お腹もふくれ、朝食の片付けが済んだら。  みんなで、ククミンの採取だ! 「カレー! カレーが食べれる! 早く野菜たっぷりいれたカレーが食べたい!」  あとはカレードリア、カレーパン、カレーうどん!    「……おう」 「……そうですね」  あれ? さっきまでの元気はどこいったぁ?  2人はククミンが見つかると、苦手なポーションを飲まされると思っているのか。 「大丈夫、ポーションは作るけど。でも、安心してよ! 一緒に作る、カレーは絶対に美味しいから〜!」  ククミンを探しに。木々、草花がみえるカルルの原っぱへと、走って足を踏み入れようとした私の前に。足を踏み入れるのを拒むような、透明な壁があった。――え? その壁に阻まれ、はじかれ、私の体は飛ばされて尻餅をついた。 「いっ、イテテ――ッ、な、なに?」 「どうした、エルバ?」 「エルバ様、大丈夫ですか?」  後ろから、慌てて駆け寄ってきたサタ様とアール君に。 「壁、壁が――ここに、透明な壁があるの!」  と、指をさして伝えた。
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