百五十一話

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百五十一話

 黒い霧が消えて青空の元、私たちはカルルの原っぱで葉は細長い針のような形、博士が教えてくれたククミンを探す。 「はやく、カレーが食べたい! ククミンはどこだぁ!」   「アール……エルバがククミン探しに燃えているぞ!」 「はい……燃えておりますね」  サタ様とアール君が見守るなか、私はカルルの原っぱを爆走していたが。他の発見したことがある薬草、植物はあるのに、お目当てのククミンがなかなか見つからない。  ここは一旦落ち着いて、と思った私の足元に。 「あ!」  博士が教えてくれた、細長い針のような形の葉っぱはが風にゆらめいていた。お、おお――! つ、ついに見つけた、ククミンだ。これで、カレーが食べれる。 「サタ様、アール君、ククミンを見つけたよ!」  瞳を輝かせて2人を呼んだのだけど。離れた場所にいたサタ様とアール君は乗り気じゃないのか、呼んでも、のんびり歩いてくる姿が見えた。 (グヌヌ……2人にはぜったい、おいしいカレーを食べさせるんだから!)  そうだと、2人がここへ来る前に。  博士、この草はなにと聞いた。 〈これは――ククミンという免疫力アップし、香りにはリラックス効果がある、セリ科の草です〉  リラックスの効果もあるのか。  ありがとう博士、ククミンのタネをください!   〈かしこまりました。エルバ様、ククミンのタネです〉  博士にタネをもらい、エルバの畑に植えた。カレー作りに必要なククミン、タタメリック、コリアンダダを見つけ畑に植えた。これで、いつでもカレーライス、カツカレー、チキンカレー、カレーうどん、カレーラーメン、カレードリア、カレー料理が食べられる。 「サタ様、アール君、ククミンのタネを畑に植えたから、はやく家に帰ろう! ――あ、そうだ。この原っぱの結界は張らなくていいの?」  ククミンに浮かれて忘れていたと、サタ様に聞いた。  サタ様は首を横に振り。   「結界は張らなくていい。この原っぱは勇者の浄化魔法で浄化された、が――そこに見える森、シーログの森の中はまだみたいだ。そこに結界を張ったほうがいいかな」 「張ったほうがいいです。あの森……瘴気がウヨウヨしていて凄く怖いです。結界が消えたいま、こちらにもウヨウヨと出てきそう……」 「うむ。すぐに結界を張るから、ここで待っていてくれ」  サタ様はモコ鳥のままシーログという森の前で、結界魔法を使った。このカルルの原っぱもだけど、シーログの森も人々が300年もの間はいったことがないということは! まだ、見たことがない野草に毒草があるはず。 (カレーを作ったら、もう一度ここへきたいなぁ)  ――新しい草の発見は私の楽しみだ。 「さて、帰るぞ。都市に戻ったら、ワタシは手元に帰ってきた愛剣と語り合いたい」 「ボクは疲れたので、お気に入りの椅子でお昼寝がしたいです」   「わかった。私も帰ったら、色々とやる事があるから、都市へ戻りましょう」    私達は魔法都市サングリアの隣、領地へとサタ様の転移魔法で戻ってきた。帰ってきた領地はあいかわらず、みんなが好きな様に建物を建て、畑を作り、お昼寝してと、のんびり過ごしている。 (フフフ、ポーションキライの、みんなも待っていなさい!)  サタ様は剣と語らいに向かい、アール君はお気に入りの椅子でお昼寝。私は自分のキャンプ地とした場所へと移動して、アイテムボックスからテントを取り出した。 (今夜、サタ様とアール君はみんなと一緒に寝るだろうから。今日のお風呂は猫足のバスタブ、ベッドはダブルベッド!)  テントの外で中を自分好みに想像してテントの中へ入り、ダブルベッドに腰をかけて、カレーを作るために料理博士を呼んだ。  
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