百五十三

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百五十三

 カレー、カレーとテントで叫び。  テントに篭って1時間。  私はベッドの上に、パタリと倒れた。 「……ふぇ〜なんとか、コリアンダダとククミンの種がとれたぁ。魔力をけっこう使ったし、もうへとへとだぁ」  ――けど。  魔力を上手く使えたことがうれしくて、ベッドの上でコロコロと転がった。次の工程はククミンとコリアンダダのシードとタタメリックをすり潰して、パウダーにするはず。  私は料理博士、ククミン、タタメリック、コリアンダダのパウダーの作り方は? と聞いた。 《ククミンとコリアンダダのシード(タネ)をフライパンで炒り、茶色っぽくなり香ばしい香りがでましたら火を止め、粗熱が取れるまでおいてください》  ふむふむ。 《粗熱が取れましたら、すり潰してパウダーの完成。タタメリックを乾燥したものを細かく切り、すり潰します》  なになに。乾燥したククミンとコリアンダダのシードをフライパンで炒って、すり潰す。乾燥させたタタメリックは刻んでからすり潰すのか。  料理博士わかった、ありがとう。 《わからない方がありましたら、なんでもお聞きください》  はーいと返事を返して、私はアイテムボックスからテーブル、まな板、フライパンとポケットストーブを取り出した。すり潰す道具がないから、ママにすり鉢を借りればいいかな。  ポケットストーブに固形燃料を使い火をつけ、ククミンシード、コリアンダダシードと炒めお皿に移して粗熱をとる。次にタタメリックを刻んだところで、私はテントを出てママのところへ向かう。 「エルバ様?」   「アール君、起こしてごめんね。ママのところへ行ってくる!」  私はホウキを取り出し乗ったが、エルバの畑の収穫とククミン、コリアンダダのシード採りに魔力を使い、あまり残っていなかったらしく。  空を飛ぶどころか、トンと地面にホウキごと尻餅をついた。その姿にアール君が、お気に入りの椅子から飛んでくる。 「エ、エルバ様、大丈夫ですか?」   「う、うん、大丈夫。ホウキに乗れそうにないから、歩いてママのところへ行ってくるよ」 「そうしてください。エルバ様はボクとサタ様の魔力も使用しておりますから」  その言葉にアッと私は気付く。使い魔の2人とは魔力で繋がっている。ククミンとコリアンダダのシードを取る為に何度も魔力を使い、彼らからも魔力をもらったようだ。 「わぁ、ごめん。ママのところから戻ったら、ククミン、タタメリック、コリアンダダでポーションも作るから、それまで待っていて」  ポーションと言うと、アール君は毛を逆立てた。 「ポ、ポ、ポーション⁉︎ ……いや、ボクは飲みたくありません。それに今、魔力切れなのはエルバ様だけであって――ボクとサタ様の魔力は残っておりますよ」 「え、そうなの? ……でもよかった、2人の魔力まで使ったかと思ったよぉ。じゃ、行ってくるね」 「……待ってください」  ママに会いにいく私を止めると、アール君は己の体を大きくさせ。 「ボクは人を乗せるのが好きではないですが、特別ですよエルバ様」  背中に乗っていいと、私の前でしゃがんだ。
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