第1話 ボンバー誕生!!

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 昼の10時過ぎ、マウンテンバイクで駆けること20分。  国道の高架下に降り立ち、ウララはピッチング練習をする。まずはストレッチ。  軽くダッシュを繰り返し、心拍数を上げてから本格的に始める。  肩慣らしで、ストレートから。  硬球だと壁を痛めてしまうので軟球で投げる。  最近の軟球は硬球に近い硬さをしているので練習には最適。  女子としては大きい188センチのオーバースローから角度のあるボールを投げている。  肩が温まってくると、力を込めて投げ込んでいく。 「君、凄い球投げるね」  ウェア姿の男性に声をかけられた。  肩にはバットケースを担いでいた。 「あ、ありがとうございます」  ウララより少し年上そうな男性。  物腰が柔かそうで、ショートレイヤーの髪に端正な顔立ちをしていた。 (ちょっとタイプかも……)  ウララは彼を見て顔を赤らめる。 「ちょっと立って見てもいいかな?」  打席を模して、球筋を確認したいのだろう。 「はい、いいですよ」  快く返事をした。
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