第1話 ボンバー誕生!!

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 地面を均してから1球目を投じた。  綺麗な回転を残して、ストライクゾーンを掠める。 「もう1球いいかな?」  彼の一言に頷き、ワイドアップに入った。  放たれたストレートを目に見えないスイングで一閃された。  角度が良すぎて、直ぐに高架の天井にぶつかってしまった。 「ごめん、つい手が出ちゃったよ」  彼はそう言いながら、頭をかいていた。  とても静かなスイングに、ウララは驚いていた。 「良い球が見れた。またね」  そう言って立ち去ろうとする。 「あの、お名前だけでも!」  意を決して尋ねた。 「金村。じゃあね」  バットケースを担いで、土手を上がっていく。  ウララは背中を見つめる。 (良い男……それに野球も上手い……)  しばし金村の事を考えていた。
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