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「山口さんもいらっしゃい」
「いやぁ、響さんはいつもお綺麗ですなぁ」
山口と言われた彼はお世辞を言いながら、はにかんでいた。
山口は坊主頭に近い髪型で眉毛も細く、目も細い。
年齢は金村と同じ位。
ウララは山口に同じスポーツ選手の匂いを感じ取っていた。
2人は席に座るとビールを注文していた。
カウンター裏に行くと響と鉢合わせる。
にやけた顔をしている。
「分かるわぁ。彼なのね。納得納得」
勝手に話を進めて頷いていた。
「もう!こっちは真剣なんだって!」
「私に任せなさい。必ず彼を落としてみせるわ」
響が落とすような口ぶり。
(大丈夫かなぁ……)
ウララはどぎまぎしながら接客に戻った。
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