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ウララは接客をしながらチラチラと金村を観察していた。
山口と仲間内の話をしているのか、笑い混じりで楽しそうだ。
1人のお客さんが山口と話しているのが聞こえてきた。
彼は六大学のエースピッチャーのようだ。
山口に話しかけていたお客さんは、握手をした後、おもむろにチケット2枚を手渡していた。
それを見ていた響はさっと近付き、1オクターブ声音を上げ「あらぁ、そのチケットどうしたんですかぁ?」と尋ねた。
「あぁ、これ?ファンだって言ってくれた方が行けなくなったからあげるよってさ。でも俺明日デートなんだよなぁ」
山口は頭をかいていた。
「そうだわ。私の友人、野球が好きでねぇ。あの子なんだけど」と響はウララを指差し「金村さん、良かったら友人を連れてってあげてよぉ」とキラースマイルで口にした。
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