31人が本棚に入れています
本棚に追加
関内駅に着いたのは待ち合わせの15分前。
(早く来すぎちゃった)
スマホを確認しながら金村の到着を待つ。
響とラインをしていると時刻は16時。
それから5分が過ぎた頃、額に汗を浮かべる金村が到着した。
淡い青いシャツにジーンズという軽装。
「ごめん、うとうとしてたら家出るの遅れちゃってさ」
くすりと微笑してウララは「大丈夫ですよ」と優しく応えた。
「ちょっと歩いた所にスープカレーの店があるんだけど早めに夕飯にしない?」
ウララは小さな声ではいと言い、大きな背中の金村に付いて歩いていく。
関内駅から歩いて10分。
ビルの一角にそのお店はあった。
2人は店内に入り席に座った。
欧風な作りの店内をしげしげて見つめる。
メニュー表を手に取ると、手頃な値段設定だった。
「結構人入ってますもんね。人気店なんですか?」
「うん。安くて美味いし、きっと気に入ると思うよ」
六大学のスター選手もお手頃な店に行くんだとウララはぼんやりと思案していた。
大学をドロップアウトしてから大学野球の情報を入れないようにしていた。
元々情報通ではなかったが。
最初のコメントを投稿しよう!