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響と話しながら閉店作業をしていた。
考えてみると今までバイトらしいバイトをしてこなかった。
ウララは接客業も初めてだが、すんなり仕事ができていた。
「アンタを可愛いって言ってる人が居たわよ。物好きも居るものね」
響はふふっとイタズラっぽく微笑んだ。
「もう、やめてよ。当分男はこりごり」
そっぽを向く。
「まぁ、明日も仕事頼むわよぉ」
朗らかに笑う響にウララは、はいはいと言って苦笑していた。
ーー自宅のアパートに帰ってくると母の翔子に出くわした。
「あら、どこ行ってたの?」
「うん、響の所でバイト」
「ふーん、響ちゃんの所なら安心ね。ビシバシシゴイてもらいなさい」
ショートカットで切れ長の瞳の翔子。
若くしてウララを産み、36歳。
昼のパートと夜の友人のスナックを手伝って、ウララを育てていた。
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