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あたしを飲みに連れてって自棄酒?に付き合ってくれるらしい男は、マンションの駐車場に向かった。そこに停まってたのは純白の高級の部類に入るであろう車で、さらりと助手席のドアを開けてくれた。
何をしてる人なんだろう。
当然の疑問が頭に浮かぶ。
「乗ったら自分で閉めろよ」
近付いたあたしにそう言って運転席のほうへとまわりサッサと乗ってしまうから、言われた通りに従い助手席に乗り込んでドアを閉めた。
車内はその人の香りでいっぱいだった。
どうして車は白色なんだろう。絶対に黒のほうが似合うのになぁ…なんて、ボンヤリとどうでもいい事を考えていたら男のスマホが音を立てた。
「悪ぃ。今から行く」
男は電話に出ると、それだけ口にしてすぐに切った。
今から行く?
飲みに連れてってくれるんじゃないのか。
ホントはどこか別の場所に行くつもりなのか。
信じてたものに裏切られたばかりのあたしは、ちょっと不安になって来た。
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