失恋からの

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妖艶なオーラを纏う男と恋人同士を想像するとか、おそれおおいなって思うけれど。釣り合わないのは、わかっているけれど。 こんなことってもうないかもしれないから、思いっきりくっついておこうと腕にしがみついた。煙草混じりの爽やかな匂いが妙に落ち着く。 ぶっちゃけ、ほとんど覚えていなくて。しらふだったら、絶対にやっていなくて。こんな恥ずかしいこと無理すぎる。 マンションに着いてからも、ふにゃふにゃしているあたしを呆れながらも支えてくれる男にしがみつきながら歩いた。こんなに酔ったのってホントに初めてだ。 「おい、部屋どこだよ?」 エレベーターホールであたしを支えながら、男が顔を覗き込んでくる。 「え?んー?へやー?」 ほらー。 いつもあたしのが先におりるでしょー。 おぼえてないの? おもいだしてよー。 そう言ったような気がするけれど、覚えていない。 「しょうがねぇなぁ…」 ため息を吐きながら、ちょっと笑ったような気がする男があたしをエレベーターに乗せる。
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